ソニーから独立しても“最強伝説”は健在か?――新生「VAIO Z」徹底検証(後編):変形機構、液晶、キーボード、ペンの品質に迫る(2/6 ページ)
ベンチマークテストで圧倒的な性能を見せつけた13.3型ハイエンドモバイルPC「VAIO Z」。レビュー後編は、その使い勝手をじっくり確かめていこう。
VAIO Fit Aシリーズから洗練されたアルミ&カーボンボディ
VAIO Zはマルチフリップ機構を採用していることから、スタイルはVAIO Fit Aシリーズに似ているものの、より洗練された印象だ。
トップカバーとキーボードベゼル/パームレストはアルミニウム素材を採用する。表面を研磨して微細な凹凸を作ったブラスト加工アルミニウムで、東陽理化学研究所と共同開発したものだ。これにアルマイト処理を施しており、塗装剥がれの心配がないうえ、手にしっとりとなじむ上品な質感がある。
ボトムカバーには東レと共同開発したUDカーボン素材を採用。カーボンの繊維方向とキーボードベゼルのアルミ裏面に配した補強リブの最適化を行ない、堅牢に仕上げた。全体の剛性感も強く意識しており、ボディの端のほうだけを握って持ち上げるなどした際のひずみを小さく抑えたという。実際にパームレストの端だけを握って持ち上げてみたが、たわみやきしみといった不安な感覚はまったくなかった。
VAIO Fit A13やVAIO Pro 13と見比べてみた
VAIO Zの本体サイズは324.2(幅)×215.3(奥行き)×15〜16.8(高さ)ミリ、重量は約1.34キロだ。同じ画面サイズとマルチフリップ機構を備えた旧機種「VAIO Fit 13A(SVF13N29EJS)」は、本体サイズが325.4(幅)×223.4(奥行き)×14.3〜17.9(高さ)ミリ、重量が約1.31キロで、実際に並べてみると、VAIO Zは高性能化とロングバッテリー化を進めつつ、ボディを小さく薄く絞り込んでいるのが分かる(重量はわずかに約30グラム増)。
一方、同じ画面サイズの薄型軽量クラムシェルノート「VAIO Pro 13(VJP1311)」は、本体サイズが322(幅)×216(奥行き)×12.8〜17.2(高さ)ミリ、重量が約1.08キロだ。ほぼ同じフットプリントだが、VAIO Zのほうが約260グラム重い。VAIO Pro 13に対しては、圧倒的な性能と変形機構、ペン入力、スタミナがアドバンテージとなる。
ちなみに、クラムシェルノートのボディだった先代機「VAIO Z(Z2)」は、13.3型フルHD液晶を搭載し、本体サイズが330(幅)×210(奥行き)×16.65(高さ)ミリ、重量が約1.15キロだった。これに比べると約190グラム重いが、フットプリントと厚さはほぼ互格だ。
2in1の変形機構と、TDPが28ワットの高性能な第5世代Core(しかもcTDPで35ワット動作が可能)、そして公称約15.2〜15.5時間バッテリー駆動(JEITA 2.0)を盛り込みながら、このサイズに収めているのは驚異的であり、レビュー前編で紹介した「高密度実装技術」が生かされている部分だ。
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