「BASIC」はおっさんだけのものじゃない!! 第1回「プチコン」ファンミーティングが熱かった:そうだ、DSでプログラミングしよう(3/4 ページ)
ニンテンドー3DSでプログラミングができる「プチコン3号」が発売されてから約1年。ユーザーが集うファンミーティングが行われた。ライトニングトークには女子中学生の参加も。
プチコンファンが送るライトニングトーク(LT)
スマイルブームからのプレゼン後は休憩を挟みつつ、ファン12名+スタッフ1名によるライトニングトーク(LT)大会となった。
技術系ミーティングなどで流行しているLT(ライトニングトーク)は5分〜10分程度の短いプレゼンのこと。その手軽さゆえに参加しやすく、コミュニティにより深く関わるにはもってこいの仕組みだ。今回は自作ハードウェアあり、アーケードの超絶再現あり、と、内容も登壇者の年齢層も幅広い、バラエティ豊かな内容となった。
中でも衆目を集めていたのが三つ編みが印象的なみほ氏(@KusoftMiho)。13歳という最年少で登壇したみほ氏のプレゼンは当日の朝(!)早起きして作ったという、ゴキブリを動かすプログラムとKML(かなちー・ミューヅック・ライブラリ)の紹介。
なぜゴキブリ? なぜBGMが「主よ、人の望みの喜びよ」? そもそもなぜ女子中学生がそんなことを? いろいろな疑問が頭に浮かびつつ、スプライトを使ったのは初めて、ということでハラハラしながらも温かい目で見守る聴衆たち。その気持ちを知ってか知らでか、ライブコーディングまでやってのける度胸に会場は盛り上がった。
そして最も笑いをとっていたのがペンコ改氏(@penkokai)だ。内容は第3回プチコン大喜利の芸術賞ノミネート作品「オクにススムクン」の技術説明。とにかく細かくネタを突っ込んでくる。
しかし、その内容は「いかに手を抜いて3Dっぽく見せるか」という、まさに王道とも言えるBASICのテクニックを紹介したものだ。具体的には同形のスプライトをいくつも重ね、手前から順に拡大することで「奥スクロール」を実現するというもの。このようにハードウェア支援により高速に処理できる機能を駆使するのは、80年代から愛用されてきたBASICのテクニックだ。
当時のPCは現在とは比べ物にならないくらいに貧弱だった。しかも初心者でも習得しやすいBASICではCPUを直接叩くマシン語よりも1〜2ケタほど低速で、それをいかに高速化するかはとても重要だった。
小数が使えないCPUであればすべて整数で済ませたり、スクロールをキャラクタパターン単位にして画面書き換えを減らしたりと、CPUにさまざまな「手抜き」をさせたり、それらしく見えればOK、と、計算やアルゴリズムを近似で済ませたりするさまざまなテクニックが生み出された。
プチコン3号は当時のPCとは比べ物にならない性能であり、正直にアルゴリズムをそのままコーディングしても実用的な速度を出すことは可能だろう。だが、BASICの真骨頂とも言うべき「頭を使って手を抜く」テクニックに懐かしさを感じた参加者も多かったのではないだろうか。
また、TINY野郎氏のプレゼンではスプライトを96枚使ってラスタスクロールを再現した実例が紹介された。同じスプライトでも活用方法はさまざまだ。
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