Windows 10初の大型アップデートはココに注目:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)
ついに一般公開されたWindows 10初の大型アップデート「November Update」はもう適用しただろうか? その注意点と特徴を整理する。
November Update? TH2? それとも1511?
「November Update」とは、米Microsoftが2015年11月12日(現地時間)に提供を開始した「Windows 10向けアップデート」の正式名称だ。7月29日に一般公開されたPCおよびタブレット向けWindows 10で初めての大型アップデートとなる。日本のユーザー向けにも同時に提供され、既にWindows Updateを通じて適用した方も多いだろう。
日本時間で2015年11月13日に公開されたWindows 10初の大型アップデート「November Update」。デスクトップの見た目は従来と変わらないが、大きな変更点では音声対応パーソナルアシスタントの「Cortana(コルタナ)」が日本語をサポートしている
一般には、Windows 10の開発コード名に由来する「Threshold 2(TH2)」の愛称がよく用いられているが、これ以外に「バージョン1511」という名称もある。これは「20(15)年(11)月」の4桁の数字をとって「1511」のバージョン番号を付したものであり、実際にシステムのバージョン情報を確認すると「1511」の名称が表示される。
今後も当初の予定通り、Windows 10に年間2〜3回程度の大型アップデートが到来するのであれば、November Updateではいつ行われたアップデートなのか区別しにくい。そのため、本記事ではNovember Updateの名称を用いつつも、バージョン番号を付与することにする。
下記に、Windows 10のビルド番号とOSバージョン、コード名の相関関係を簡単に表にまとめた。
Windows 10の大型アップデート情報 | ||||
---|---|---|---|---|
開発コード名 | 提供開始日 | ビルド番号 | バージョン番号 | 正式名称 |
Threshold 1(TH1) | 2015年7月29日 | 10240 | − | Windows 10 |
Threshold 2(TH2) | 2015年11月12日 | 10586 | 1511 | Windows 10 November Update |
Redstone 1(RS1) | 2016年前半? | − | − | − |
November Updateの導入で注意すべきこと
November Update(1511)で注意すべきなのは、現時点でこのバージョンに相当するWindows 10を直接インストールする手段はなく、あくまでWindows Updateを経由して、November Update(1511)以前のWindows 10からアップデートする必要がある点だ。
Microsoftは7月のWindows 10正式リリース以降、「Media Creation Tool」と呼ばれるツールを提供して「(DVDまたはUSBメモリの)インストールメディア(ISO)を使ったWindows 10の手動インストール」を可能にしている。
Windows 10のダウンロードページにアクセスすると、「Media Creation Tool」がダウンロードできる。これを使うことで、USBメモリまたはDVD書き込みに必要なISOファイルが入手可能だ
同社は当初、November Update(1511)提供のタイミングでMedia Creation Toolのアップデートも行い、最新版のWindows 10 ISOファイルを提供していたが、計画変更により引き上げられた。現在ではMedia Creation Toolを使っても、7月29日時点で提供されたバージョンに該当する「Build 10240(TH1)」相当のインストールメディアが作成できるのみだ。
Media Creation Tool経由でWindows 10をインストールしてNovember Update(1511)相当の最新状態にする場合、一度TH1のインストールを完了させた後、Windows Update経由でアップデートする必要がある。
ちなみに、Microsoftの予告通り、最新のMedia Creation Toolでは32ビット版/64ビット版を問わずにインストールが可能な単一のメディアを作成可能になっている。複数台の異なる環境のPCを持つユーザーには便利だろう。
このように多少面倒ではあるが、November Update(1511)自体が7〜11月までの「Cumulative Update(累積的アップデート)」を兼ねているため、旧Windows OSでみられたように、クリーンインストール後や工場出荷設定にPCを戻した後、何度もアップデートの適用と再起動を繰り返す必要はなく、一度のアップデート適用で作業は完了する。
また、この後に設定メニューからPCを初期状態に戻しても、Windows 10の状態はTH1ではなくNovember Update(1511)を適用した状態となる点にも注意したい。
一方、開発者向けサービスであるMSDNの契約者に対してNovember Update(1511)適用済みWindows 10のダウンロードを提供している。
いずれにせよ、現時点ではTH1を入手してWindows Updateをかけるのが最も手っ取り早い手段だろう。もしNovember Update(1511)がアップデート項目に出現しなくても、時間の経過とともに入手可能になるとMicrosoftでは説明している。
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