3万円でお釣りが返ってくる14型モバイルノートPC「Altair VH-AD」の実力を検証:現代版のネットブック?(4/4 ページ)
サードウェーブデジノスが、税込3万円以下というお手頃価格な14型ノートPC「Altair VH-AD」を発売した。価格を抑える一方で、多くのユーザーニーズを満たすスペックを持っており、さながら現代版のネットブックともいえる興味深い製品となっている。今回はその実力をチェックする。
価格の割には高性能
ではベンチマークテストで性能を検証してみよう。Intel Celeron N3150は前述の通り、Atom系プロセッサ搭載機と言うこともあり、ベンチ内容は比較的ライトなものに限定している。最初に総合性能を計測するPCMark 8(v2.6.512)とPCMark 7(vv1.4.0)のテストを行った。PCMark 8 Homeのスコアは「1605」。PCMark 7のスコアは「2540」という結果となった。Bay Trail系のAtomよりもグラフィックス性能が向上していることから、少し前のAtom系タブレットやスティック型PCなどと比較すると総合性能がよくなっている。
次に3Dグラフィックス性能を見るベンチマーク3DMark(v1.5.915)の結果を見てみよう。結果はFire Strikeが「252」、Sky Diverが「1084」、Cloud Gateが「1951」、Ice Stormが「21954」となった。Core iシリーズや専用グラフィックスチップを載せたノートPCと比較するのは厳しいものの、Bay Trail系のAtomに搭載されている第7世代Intel HD Graphicsよりもすべての項目で性能向上を果たしている。価格を考えると上等な性能を持つといえる。エンコードやフォトレタッチといった用途は難しいが、Webサイトで3Dグラフィックス機能を使うものや動画の再生でもストレスなく利用できる。
さらに、ゲームベンチマークとしては比較的軽いドラゴンクエストXベンチマークソフトの結果を見てみよう。コアクロック等が違うので厳密な比較にはならないが、BayTrail系のAtom Z3735Fでは、解像度648×480ピクセルの低品質モードでもスコア2068「やや重い」という結果になっていた。一方、Braswell系のCeleron N3150では同じ解像度648×480ドット低品質ではスコア3506「普通」になっており、3D性能が向上していることが分かる。一方で、これ以外の解像度や画質設定を変更するとすべて「やや重い」という結果になる。
最後にストレージ周りのテストをCrystalDiskMark(v5.1.2)で計測した。ストレージはeMMC接続であるため、シーケンシャルリードが141.3MB/秒、シーケンシャルライトは42.62MB/秒となっている。数値的には同じeMMC接続ストレージを使用。計測結果はスティック型PCやタブレットと同等レベルの性能であることを示している。なお、デバイスマネージャーで確認したところ搭載ストレージは「Samsung BWBD3R」となっていた。
加えて上で増設したSSDのベンチマークも計測した。今回、増設したのはCrucial BX200(240GB)モデルである。シーケンシャルリードが556.8MB/秒、シーケンシャルライトは474.6MB/秒という数値が出た。これは増設用ベイがSerial ATA 6.0で接続されていることを示している。システム用のeMMC接続ストレージよりも高速なインタフェースであるというわけだ。この機能を生かすなら、HDDよりもSSDを増設したほうがよいだろう。
低価格ノートが欲しいなら買って損無し
結論から言うと、非常に優れたコストパフォーマンスを持つ製品だ。多くのユーザーが欲しいと思える機能を備えつつも、3万円を切る低価格にうまくまとめられている。Celeron N3150は、Atom系の省エネ性能とWebサイトなどの閲覧には十分なグラフィックス性能があり、普段使いには十分。動作音はほぼ無音なのもうれしい。さらに、タブレットでは高額モデルでしか使われていない14型の大型液晶を使用している点も、タブレットとの差別化を図る意味で成功しているのではないだろうか。
容量が少ないストレージも簡単に別ドライブを内蔵・増設が可能だ。メーカー動作保証外ではあっても、ユーザー側で容量不足解消のための手段が用意されているのはありがたい。こうした点もタブレットPCにはない利点だといえるだろう。希望をいうなら、メインメモリを4GBに増設したモデルが欲しいところ。サブPCとして使うのにも適した製品だといえる。
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