「小さいは正義だ」――手のひらに収まるサンディスクのポータブルSSD「エクストリーム 500」を試す:実際の読み書き速度は?
サンディスクが間もなく出荷を開始する「サンディスク エクストリーム 500」は、非常に薄くて小さなボディーが特長のポータブルSSDだ。今回は実使用におけるパフォーマンスを検証する。
衝撃に強いボディー
サンディスクが1月18日に発表した同社新カテゴリとなるポータブルSSDの新製品「サンディスク エクストリーム 500」は、非常にコンパクトなボディーが目を引く注目の製品だ。大量の写真データを取り扱うカメラマンやクリエイターといったハイエンドユーザーをターゲットに見据えた製品で、容量ラインアップは120GB、240GB、480GBの3種類、価格は順に1万5000円、2万円、3万5000円(全て税別)となっている。
SSDは磁気ヘッドのような駆動部が存在しないため、HDDに比べて振動や衝撃に強く、信頼性が高い。データの読み書きも高速のため、まさにポータブルにはうってつけといえる。エクストリーム 500の本体は約40グラムで、実際に手に持つと「中身が空っぽなのでは」と錯覚するほど軽量だ。
本体サイズは約74(幅)×74(高さ)×11(奥行き)ミリと、ほぼ四角に近い形をしている。手のひらにすっぽり収まってしまうサイズ感でありながら、大容量のSSDがこの中に詰まっていることを考えると、利便性が高いことは容易に想像がつく。
本体を囲むようにゴム製の緩衝材を備えていたり、底面にはラバーを使用していたりと、外部からの衝撃を和らげる素材を多く採用することで、もともと耐衝撃に優れるSSDに安心をさらにプラスしている。万が一、高所から落とした場合でも、全く不安を感じさせない安心感があるのだ。本体は決して高級感のあるような質感ではないが、それは堅牢性や軽量とのトレードオフというものだろう。ストラップを装着することで、かばんやキーホルダーなどに取り付けるといったラフな使い方がエクストリーム 500なら可能というわけだ。
パフォーマンスをチェック
続いて読み書きの速度をチェックしてみよう。カタログスペックでは、120GBモデルと240GBモデルがリード最大415MB/秒、ライト最大340MB/秒で、480GBモデルはリード最大430MB/秒、ライト最大400MB/秒となっている。接続はUSB 3.0 Type Aを採用する。
今回の評価機はエクストリーム 500の240GBモデルを利用した。Windows 10 Proが動作するSurface Pro 3(i5モデル、内蔵SSDは256GB Samsung「MZMTE256HMHP-000MV」)上でベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.0.3」を使ってみると、シーケンシャルリードが350MB/秒、シーケンシャルライトは305MB/秒前後で安定した。
mp4形式の動画ファイル11個を12GB分収めたフォルダをエクストリーム 500からSurface Pro 3の内蔵ストレージにコピーしたところ1分31秒、同じフォルダを今度はSurface Pro 3の内蔵ストレージからエクストリーム 500にコピーした場合は1分5秒だった。
Surface Pro 3に内蔵するSSDの速度に足を引っ張られているのか、公称値には及ばなかったものの、ポータブルHDDと比べればリードとライトの速度は非常に高速だ。
USBメモリのような感覚で高速大容量のストレージが使える感覚は非常に安心感があり、日々肥大化する写真やビデオのデータを出先でバックアップする用途で心強い味方となる。ボトルネックとなるのはポータブルHDDに比べて価格が割高となる点だが、SSDの高信頼性とスピードに投資できるかが、選択の鍵となりそうだ。
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