「Surface Book」徹底検証――触れば分かる上質感は37万円の価値アリ?:スペック外の魅力を求めて(2/7 ページ)
日本マイクロソフトが放つハイエンドな2in1ノートPC「Surface Book」。37万2384円(税込)のハイエンドモデルを検証し、スペック表では分からない価値を探る。
合体した状態は重さ1.5キロ以上、携帯性はSurface Pro 4が上
合体した状態の本体サイズは312.3(幅)×232.1(奥行き)×13〜22.8(高さ)ミリ、重量は約1.516キロ(実測値1.576キロ)だ(dGPU非搭載モデルは公称約1.516キロ)。
13.5型でアスペクト比3:2の液晶ディスプレイやTDP(熱設計電力)が15ワットの第6世代Coreを画面側に搭載し、キーボード側にdGPUや大容量バッテリーを配置した凝った構造ゆえ、13型クラスとはいえフットプリントと重量はそれなりにあり、モバイルノートPC並の携帯性とは言い難い。また、閉じた際にすき間ができるヒンジ構造により、奥側も厚さがかさんでしまうのは仕方がないところだ。
競合する「13インチMacBook Pro」の約1.58キロよりは軽く、タブレットスタイルへの変形、タッチパネルや筆圧ペンという付加価値もあると言える(ただし、13インチMacBookは28ワットTDPのCPU採用)が、持ち運びやすさでは「Surface Pro 4」の方が大きく勝るのは間違いない。Surface Pro 4のCore i7モデルは別売のキーボード兼カバー「Type Cover」を組み合わせても厚さ約13.3ミリ、重さ約1.1キロで済む。
左がSurface Book、右がSurface Pro 4+Type Cover。Surface Bookは312.3(横)×232.1(縦)ミリ、Surface Pro 4は292.1(横)×201.4(縦)ミリだ。Surface Bookの方が一回り大きい。Surface Pro 4は本体を自立させるためのキックスタンドを内蔵する関係で、四角形のミラーの配置が下にずれている
Surface Book(合体時)の底面は、ネジ穴1つ見当たらない非常に美しい仕上がり。Surface Pro 4は装着したType Coverを閉じた状態だ。重量はSurface Bookが約1.516キロ、Surface Pro 4+Type Coverが約1.096キロ(いずれもCore i7モデル)
Surface Bookは独特のヒンジ機構を採用したため、奥に向かって厚みが増している。Surface Bookの厚さは13〜22.8ミリだ。Surface Pro 4はType Coverを装着しても、Surface Bookの最薄部に近い厚さの約13.3ミリで済む
Surface BookとSurface Pro 4のサイズ比較 | ||
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モデル | Surface Book(Core i7) | Surface Pro 4(Core i7) |
タブレット部 | ||
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約312.3×220.2×7.7ミリ | 約292.1×201.4×8.4ミリ |
重量 | 約726グラム | 約786グラム |
重量(実測) | 約725グラム | 789グラム |
キーボード込み | ||
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約312.3×232.1×13〜22.8ミリ | 約295×217×13.3ミリ |
重量 | 約1.516キロ | 約1.096キロ |
重量(実測) | 約1.576キロ | 約1.097キロ |
現状で不足のない端子類の構成だが、USB Type-Cも欲しかった
Surface Bookの主要な端子はキーボード側に搭載している。USB 3.0ポートが2基、SDメモリーカードスロット(SDXC、UHS-II対応)、Mini DisplayPort、そしてSurface Connect(充電およびSurfaceドック用)といった内容だ。最新のフラッグシップモデルでありながら、USB Type-C/Thunderbolt 3ポートがない点がやや残念だが、現状のノートPCとして必要十分な構成だろう。
ちなみに、SDメモリーカードスロットにカードを差すとボディーから少しはみ出す。カードを入れたまま使うことは想定されていない。
一方、画面側(タブレットPC本体)に用意している端子は、ヘッドセットとSurface Connect(キーボードおよび充電用)のみだ。上面には電源と音量調整のボタンを備えている。
通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.0を標準装備。画面の上部にはWindows 10の生体認証ログオン機能である「Windows Hello」に対応した500万画素のインカメラを搭載するほか、天面には800万画素のオートフォーカス対応アウトカメラも配置している。ステレオマイク、Dolby Audio対応ステレオスピーカーも内蔵した。
また、Surface Bookは2in1デバイスでもあるので、加速度、ジャイロスコープ、磁気、照度といったタブレットにおなじみのセンサー類も備えている。
付属のACアダプターは、キーボード側の右側面にあるSurface Connect端子に接続して給電する。ACアダプターのサイズは50(幅)×90(奥行き)×25(高さ)ミリ(突起部を除く)、ケーブル込みの重量は301グラムだ(いずれも実測値)。出力仕様は60ワット(15ボルト/4.0アンペア)で、Surface Pro 4のACアダプターより少し厚みがあるものの、持ち運びが苦にならないサイズにまとまっている。5ボルト/1.0アンペアのUSB出力も備えており、スマートフォンなどの充電が可能だ。
公称のバッテリー駆動時間は、パワフルラップトップモードで約12時間(動画再生時)とされている。バッテリー駆動時間の検証結果は前編で触れた通り、Web閲覧とテキスト入力を想定したBBench 1.01のテストで10時間58分、高い負荷がかかり続けるPCMark 8のテストで6時間9分だった。合体時のスタミナは十分と言える。
Surface BookとSurface Pro 4のサイズ比較 | |||
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モデル | Surface Book(合体時) | Surface Book(画面側) | Surface Pro 4 |
通信機能 | 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 | 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 | 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 |
ディスプレイ出力 | Mini DisplayPort | − | Mini DisplayPort |
メモリーカード | SDメモリーカード(UHS-II対応) | − | microSDメモリーカード |
USBポート | USB 3.0×2 | − | USB 3.0×1 |
Webカメラ(イン) | 500万画素(1080p)、Windows Hello対応 | 500万画素(1080p)、Windows Hello対応 | 500万画素(1080p)、Windows Hello対応 |
Webカメラ(アウト) | 800万画素(1080p)、オートフォーカス対応 | 800万画素(1080p)、オートフォーカス対応 | 800万画素(1080p)、オートフォーカス対応 |
音声端子 | ヘッドセット(3.5ミリ) | ヘッドセット(3.5ミリ) | ヘッドセット(3.5ミリ) |
内蔵スピーカー | ステレオスピーカー | ステレオスピーカー | ステレオスピーカー |
DC入力 | Surface Connect | Surface Connect | Surface Connect |
ボタン | 電源、音量 | 電源、音量 | 電源、音量 |
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