ポータブルHDDを最新SSDに替えたら爆速になる? 「Portable SSD T3」の場合:春のPCパワーアップ計画(3/3 ページ)
PCの内蔵ストレージはSSDでも、ポータブルストレージはHDDというユーザーは少なくないだろう。今回はUSB接続のHDDをSSDに乗り換えると、どれだけ快適になるのか性能を比較してみた。
定番ベンチマークテストも実行してみた
記事前半では実際のファイルコピー速度などを実測するテストを行ったが、ここからは定番のベンチマークテストプログラムでPortable SSD T3の基本的なパフォーマンスをチェックしていく。PC環境は実測でのテストと同様だ。
ストレージ性能を計測する定番のベンチマークテスト、CrystalDiskMark 5.1.2の結果から見てみよう。Portable SSD T3は外付けのポータブルストレージということで、ファイルのコピーが中心の使い方になる。従って、QD1のシーケンシャルリード/ライト(上から3段目の数値)が最も参考になるだろう。
デスクトップPC環境でのスコアは、QD1シーケンシャルリード/ライトとも410MB/秒前後と公称値に近いスコアが出ている。同環境で測定した先代のPortable SSD T1とほとんど同じだ。QD1シーケンシャルリード/ライトだけでなく、QD1のランダムリード/ライトやQD32のテストでもほとんど同じだった。Portable SSD T3に関しては、ノートPCの環境でも測定した。若干ライト性能のスコアが下がっている。
比較用の外付けHDDは、QD1シーケンシャルリード/ライトが110MB/秒前後だった。2.5インチの外付けHDDとしては速い方だろう。Portable SSD T3のスコアは4倍には少し届いていないが、4倍近いスコアではある。
また、Portable SSD T3については、AS SSD Benchmark 1.8.5636.37293、ATTO Disk Benchmark 2.46でも測定した(いずれもデスクトップPC環境)。前者のシーケンシャルリード/ライトのスコアは、CrystalDiskMarkにおけるQD1シーケンシャルリード/ライトのスコアとほぼ同じだ。後者のシーケンシャルリード/ライトは最高で470MB/秒前後と、公称値を上回るスコアが出た。総合的に見て、リード/ライトともに公称値近い性能をしっかり発揮できている。
携帯用ストレージとして魅力的な要素がそろった製品
今回テストしたPortable SSD T3の250GBモデル(MU-PT250B)は、1万7980円前後(税込)で販売されている。その他のモデルは、500GB(MU-PT500B)が2万7980円前後、1TB(MU-PT1T0B)が5万3980円前後、2TB(MU-PT2T0B)が10万7800円前後だ。
2.5インチのSSDは低価格化が進んでおり、同社の製品でも、V-NANDを採用した「850 EVO」の250GBモデルは1万円〜1万1000円前後で買える。2.5インチSSD/HDDを外付けにできるケースも2000円程度からあり、それと比べれば少し割高かもしれない。
しかし、この小型軽量ボディーがもたらす携帯性は、そうした2.5インチSSDを外付けストレージ化することでは得られない大きなアドバンテージだ。金属製で質感に優れ、耐衝撃性という点でも安心感が高い。さらに将来有望なUSB Type-Cポートを搭載していることや、パスワード保護ツールも付属していることを考えると、コストパフォーマンスは悪くない。
HDDとの性能比較では、一部で差が小さい内容もあったものの、ベンチマークテストのスコアだけでなく、リアルな活用シーンでもはっきりと優位があることを確認できた。携帯での利用を考えると、動く部品がない安心感も大きなメリットだ。既にシステムドライブとしてSSDを導入しているユーザーは多いだろうが、いよいよポータブルストレージにも導入を考えていい段階に来ているのではないか。
中でもこのPortable SSD T3は、実際に携帯するうえで魅力的な要素がそろっており、ポータブルSSDの有力な選択肢と言える。
関連記事
- 日本サムスン、最大2TBモデルまで用意した小型軽量ポータブルSSD「Samsung Portable SSD T3」
日本サムスンは、USB 3.1接続に対応した小型軽量設計のポータブルSSD「Samsung Portable SSD T3」シリーズを発表した。 - 安全第一な大容量外付けSSD:こんなに軽くてこんなにかっこいい外付けSSDは見たことない──サムスン電子「Portable SSD T1」の使い勝手を試す
重さわずか30グラムとカードのような大容量外付けSSDが登場。ちょっとコツがいる初期設定から気になるパフォーマンスまで検証した。 - リード3200MB/秒!:5コアコントローラ+第3世代V-NANDの新製品も――日本サムスンが最新SSDを展示
日本サムスンが「2016 Samsung SSD Forum, Japan」を開催。2016年春の投入が見込まれる最新SSDを披露した。 - PCIe 3.0 x4+MVMeのM.2 SSDで新時代へ:私のリード速度は毎秒2Gバイト超です――爆速SSD「950 PRO」を徹底レビュー
Serial ATA 6Gbps SSDはどんなに高速な製品でも、毎秒600Mバイトの転送速度を超えることはない。その壁をやすやすと超える、毎秒2Gバイト超という爆速のSSD「950 PRO」が登場した。PCIe 3.0 x4、NVMe、M.2と最新仕様を網羅した待望の新世代モデルだ。 - 256Gバイトで199.99ドルから:“2500Mバイト/秒リード”のPC向け爆速SSD――SamsungがPCIe 3.0x4+NVMe+M.2の「950 PRO」発表
コンシューマー向けのPCIe 3.0 x4/NVMe対応M.2 SSDがついにSamsungから登場。シーケンシャルリード2500Mバイト/秒、ランダムリード4Kは30万IOPSという驚異のパフォーマンスに注目だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.