第6世代Coreの買い得感アップ GWに狙いたいCPUは?:大型連休で自作PCを強化したいなら(1/2 ページ)
5月の大型連休にPCの自作やアップグレードを考えている方は少なくないだろう。ハイエンド、ミドルレンジ、エントリーの3つのカテゴリーでおすすめのCPUを挙げる。
為替相場の円高傾向が続いているためか、PCパーツの価格も下降しつつある。特にIntel製デスクトップPC向けCPUの価格は、グッと買い得感が高まってきた。連休特価も期待できるだけに、自作PC用CPUの買いどきとしては理想的ではないだろうか。今買うのにおすすめしたいCPUをカテゴリー別に紹介しよう。
ハイエンドはやはり定番の「Core i7-6700K」
やはりハイエンドのカテゴリーでは定番の「Core i7-6700K」が最有力だ。開発コード名「Skylake-S」こと第6世代Coreの最上位モデルであり、下位のCore i7-6700と比べても定格クロックでの性能が高い。
下の表には、Core i7-6700KとCore i7-6700のアクティブコア(負荷がかかっているコア)別にTurbo Boost上限の違いをまとめた。両者の差は、4コア負荷時で300MHz、2コア負荷時で100MHzだ。つまり、比較的軽いアプリでは同様に高速だが、レンダリングやエンコードなどの重い処理では差が開く。
またCore i7-6700Kは、ユーザーがクロックをカスタマイズできるアンロックモデルということで、Intel Z170チップセットと組み合わせてオーバークロック(OC)が試せることもメリットだ。
2015年8月の発売当時は5万円前後もしていたが、ここにきて4万円を切るショップも出てくるなど、ずいぶん買い得感が出てきた。対応マザーボードやメモリなどとセットで購入することで割引などの特典が受けられることも多いCPUなので、それらを活用することも視野に入れて狙いたい。
Core i7-6700KとCore i7-6700のTurbo Boost上限 | |||||||
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CPU | クロック(定格/最大) | 4コアアクティブ時クロック | 3コアアクティブ時クロック | 2コアアクティブ時クロック | 1コアアクティブ時クロック | TDP | 実売価格(税込) |
Core i7-6700K | 4.0GHz/4.2GHz | 4.0GHz | 4.0GHz | 4.0GHz | 4.2GHz | 91ワット | 4万円前後 |
Core i7-6700 | 3.4GHz/4.0GHz | 3.7GHz | 3.8GHz | 3.9GHz | 4.0GHz | 65ワット | 3万6000円前後 |
Core i7-6700KとCore i7-6700のアクティブコア(負荷がかかっているコア)別Turbo Boost上限の違い(6700は筆者独自調べ)。両者の差は、4コア負荷時で300MHz、2コア負荷時で100MHzだ |
エントリーは内蔵GPU性能が高い「Pentium G4500」
エントリークラス(ローエンド)のPC向けには「Pentium G4500」を推したい。なぜこれがおすすめなのか。その理由はCPUが内蔵するGPUだ。Skylake-Sがベースとなる新型Pentiumのスペックを比較してみると、G4520とG4500はIntel HD Graphics 530、G4400はIntel HD Graphics 510であり、内蔵GPUが異なることが分かる。
後者(510)はGPU内部のEU(実行エンジン)の数が半分に削減されており、内蔵GPU性能は大きく見劣る。もっとも、従来のPentiumブランドのモデルはこういうもので、Core i3とは明確に線引きされていた。つまり、Pentiumとしては、Core i3と同等の内蔵GPUを搭載しているG4520とG4500の方(530)が異例であり、注目したい変化だ。
もちろん、内蔵GPUの性能がよくてもCore i3と同じような価格であっては意味がないが、特にPentium G4500の実売価格は1万円前後とかなり安い。Pentium G4400はさらに安いので悩ましいが、最近はWebブラウザやオフィスアプリを含めてGPUアクセラレーションが効くアプリは増えており、エントリークラスのPCにおける内蔵GPU性能は意外に重要だ。というわけで、Intel HD Graphics 530搭載のPentium G4500を狙いたい。
なお、さらに上位のPentium G4520は価格的に割高感があったが、最近は徐々に下がってきているので、予算次第でこちらを選ぶのもアリだろう。
主なエントリークラスCPU(Skylake-S系)のスペック | |||||
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CPU | クロック | コア/スレッド数 | CPU内蔵GPU | GPU EU数 | 実売価格(税込) |
Core i3-6100 | 3.7GHz | 2コア/4スレッド | Intel HD Graphics 530 | 24基 | 1万4500円前後 |
Pentium G4520 | 3.6GHz | 2コア/2スレッド | Intel HD Graphics 530 | 24基 | 1万1500円前後 |
Pentium G4500 | 3.5GHz | 2コア/2スレッド | Intel HD Graphics 530 | 24基 | 1万500円前後 |
Pentium G4400 | 3.3GHz | 2コア/2スレッド | Intel HD Graphics 510 | 12基 | 7500円前後 |
Celeron G3920 | 2.8GHz | 2コア/2スレッド | Intel HD Graphics 510 | 12基 | 6000円前後 |
Intelの主な低価格CPUラインアップのスペック |
Pentium G4500/G4400の性能比較 | ||
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CPU | PCMark 8(Home)スコア | 3DMark(SkyDiver)スコア |
Pentium G4500 | 3444 | 3703 |
Pentium G4400 | 3016 | 2303 |
性能差が気になって仕方がなかったので、サクッとベンチマークテストもやってみた。価格分の差は十分あるだろう(テスト環境 マザーボード:ASrock B150M Combo-G、メモリ:8GB/Panram W4U2133PS-4G、SSD:Samsung 840 Pro、Windows 10 Pro 64bit/TH2) |
ミドルレンジでグラフィックスカードも使うなら「Core i5-6402P」
ミドルレンジでは、2016年に入ってから地味に追加された「Core i5-6402P」に注目したい。これは内蔵GPUにIntel HD Graphics 510を搭載するCore i5の廉価モデルだ。ややニッチなモデルで販売店は少ないようだが、Core i5-6400と同じか、少し安いくらいで販売されている。
PentiumではIntel HD Graphics 530搭載モデルを推奨するのに、Core i5ではIntel HD Graphics 510搭載モデルを挙げるのは矛盾するようだが、そうではない。というのも、Core i5を選ぶ自作PCユーザーならば、別途グラフィックスカードも差すと予想するからだ。ならばCPU内蔵GPUの性能は軽視していい。しかも、内蔵GPUのグレードが落ちるぶん、ほぼ同価格のCore i5-6400よりもクロックは高く設定されている。
ゲーミングマシンなど、グラフィックスカードを利用する前提のシステムに使うのであれば、Core i5-6402Pはかなり買い得なモデルではないだろうか。
第6世代Core i5主要モデルの主なスペック | |||||||
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CPU | クロック(定格/最大) | 4コアアクティブ時クロック | 3コアアクティブ時クロック | 2コアアクティブ時クロック | 1コアアクティブ時クロック | 内蔵GPU | 実売価格(税込) |
Core i5-6600 | 3.3GHz/3.9GHz | 3.6GHz | 3.7GHz | 3.8GHz | 3.9GHz | Intel HD Graphics 530 | 2万8000円前後 |
Core i5-6500 | 3.2GHz/3.6GHz | 3.3GHz | 3.4GHz | 3.5GHz | 3.6GHz | Intel HD Graphics 530 | 2万6000円前後 |
Core i5-6400 | 2.8GHz/3.3GHz | 3.1GHz | 3.2GHz | 3.3GHz | 3.3GHz | Intel HD Graphics 530 | 2万3000円前後 |
Core i5-6402P | 2.8GHz/3.4GHz | 3.2GHz | 3.3GHz | 3.4GHz※ | 3.4GHz※ | Intel HD Graphics 510 | 2万3000円前後 |
Core i5の主なラインアップとアクティブコア別のクロック。※IntelのWebサイトでは「3.6GHz」と記載されているが、公式スペックの「最大3.4GHz」からすると「3.4GHz」が正しいと思われる |
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