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中高生PC USERたちがプログラミング学習プラットフォーム「MOZER」を体験 その反応は若者のPC離れとはなんだったのか(1/2 ページ)

IT化を進める広尾学園の生徒たちに、対話型のプログラミング学習プラットフォーム「MOZER」を体験してもらった。生徒たちのきらきらした目に、自分が失った何かを見いだした気がした。

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 中学生、高校生向けのプログラミング教育を手掛けるライフイズテックが、6月15日に「MOZER」というプログラミング学習プラットフォームを発表した。

プログラミング学習プラットフォーム「MOZER」
プログラミング学習プラットフォーム「MOZER」

 MOZERは、ユーザーとの対話形式でプログラミングを進めていくことで、楽しくプログラミングを学習することを目的としたサービス。6月15日現在から公開しており、無料体験版としてHTMLを学べるコースを現在3チャプター、順次公開を進めて12チャプターまで無料公開予定だ。

 サービスの体験イベントとして、私立広尾学園で実際に生徒たちにMOZERを使ってもらう体験会を取材したのでその様子をお届けしよう。

学校に3Dプリンタがある時代か……

 広尾学園の校舎に入っての第一印象は「えっ、ここ高校(中高一貫校)なの?」というもの。開けたロビーと隣接するモダンな食堂は、学校というよりもホテルを思わせる。広報担当に連れられて目的の教室へ廊下を歩いていくと、コンクリートの壁が続く途中に和室の入り口があったり、剣道場の入り口があったりと取材目的そっちのけで驚嘆してしまっていた。そして目的の教室に着くと、なんとそこには……!

3Dプリンタがある教室3Dプリンタがある教室 3Dプリンタ!? しかもたくさんある!

 「あっ、教室はそっちじゃないです、隣です」(広報)

 おっと失礼。しかし広尾学園がITに力を入れているとは聞いていたが、まさか3Dプリンタまであるとは。私もこの高校で勉強しなおしたい。この3Dプリンタを使って授業をしているのだろうかと、広尾学園の教務開発部統括部長である金子先生に伺ったところ「こういった3Dプリンタですとか、今回のプログラミングの体験などは専門の方々をお呼びして通常の授業外の時間に行っています。」(金子先生)とのことだった。

 確かに通常の時間割に組み込んでしまうと、他の科目の時間数が圧迫されるという問題がある。そこで、広尾学園では生徒の自主性を重んじて、課外の時間を設けて希望した生徒に体験させる方式を取っているそうだ。

お昼休みの放送はラブライブ!「それは僕たちの奇跡」

 お昼休みの時間を取って生徒たちが教室に集まってきた。高校のお昼休みと言えば放送部が流すBGMだが、広尾学園ではラブライブ!の「それは僕たちの奇跡」が流れていた。私も高校の頃は放送部にお願いして電波ソングとか流してもらったなあ、とそんな黒歴史思い出を懐かしみながら体験会は始まった。

広尾学園でのMOZER体験会の様子
広尾学園でのMOZER体験会の様子

速攻でMOZERを進めていく中高生PC USERたち

 用意されたMacBook Airの前に座る生徒たちだが、びっくりしたのはそれとは別に生徒個人がiPadやChromebookを持ってきていたことだ。聞くと、Chromebookは授業のレポートを書くのに使うという。アメリカでは安価ゆえに学校用のPCとして普及しつつあるChromebookだが、その波は日本にも来ているということだろうか。

生徒のChromebook。授業で使うらしい
生徒のChromebook。授業で使うらしい

 初めにサービスの簡単な説明があり、ノリのいい生徒たちは時折笑いながら聞いていたが、いざPCを開いてサイトを開くと生徒たちの目の色が変わった。MOZERは対話形式なので、表示する文を変えてみたり、タグを変えてみたりと一つ一つ達成したことを確認しながら進めていくのだが、生徒たちがこれに夢中で、われわれ取材陣が写真を撮っていることなど意にも介さない様子で画面にかじりついていた。

画面にかじりついてMOZERをする生徒
画面にかじりついてMOZERをする生徒

 タイピング速度も速い速い。下手をすると私でももしかすると負けるのでは、と思うレベルの速度でタイピングしている生徒も中にはいた。生徒たちに「PCって普段使ってる?」と聞いてみると、「動画編集やプログラミング」「YouTubeの視聴に」「授業で。普段は使わない」など回答はさまざまだったが、共通するのは生徒皆さんがPCに慣れた様子だったということだ。もちろん、このイベントに興味を持ってくる生徒たちなので偏りはあるとは思うが、それでも昨今言われる「PCが使えない若者」という大人の勝手なイメージとはあまりにも違う若者の実情を見せつけられた。

 中には「はじめまして」と入力しろと指示されるところで「こんばんは」と入力して、「違う文じゃ先に進めないのか」とつぶやくなど、サービスのデバッグ的なことをして遊んでいる生徒もいた。

「こんにちは」を「はじめまして」と直すべきところ、あえて「こんばんは」と入れていくスタイル
「こんにちは」を「はじめまして」と直すべきところ、あえて「こんばんは」と入れていくスタイル
フォントの変更も学べる
フォントの変更も学べる

 30分間という短い時間ではあったが、多くの生徒がフォントの変更までたどり着いていた。体験を終えた生徒たちに感想を聞いてみると「楽しかった」「分かりやすい」と評判は上々のようだった。話を聞いているうちに、生徒の一人があるものを持っていることに気が付いた。

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