LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」で家電を音声操作して分かったこと:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はLINEが販売しているスマートスピーカー「Clova WAVE」で、家電を操作するメリットとデメリットについて紹介する。
追加が待望される「未知のリモコンの学習機能」
と、ここで終われば満点なのだが、実際に使ってみると、一般的なスマートリモコン製品と比べてマイナスと思われる部分も多い。1つは、対応する家電製品のジャンルがテレビと照明のみだということ。そして、リストにない機器を手動で追加する機能を持たないことだ。
この連載で過去に紹介している「eRemote」や「Nature Remo」といったスマートリモコンは、ボタンを個別に学習させることができたため、たとえリストに機器名がなくとも、手間さえかければ利用が可能だった。筆者宅の海外メーカー製シーリングファンもその1つだ。
しかしClova WAVEは学習機能がないため、リストになければもうその時点で諦めるしかない。前回紹介したオーム電機の「OCR-05W」のような汎用(はんよう)スマートプラグももちろんアウトだ。せっかく赤外線リモコンという汎用的な規格でありながら、それを生かせていないのは実にもったいない。
また、独立したスマートリモコンであれば、家電製品から見通しがよい場所に本体を設置し、スマートスピーカーは別の場所に置くことができたが、本製品はスマートリモコン機能が内蔵されているため、本体ごと家電製品の近く、見通しのよい場所に移動させなくてはならない。
しかもClova WAVEはサイズがかなり巨大で、壁掛けでの設置はもちろん不可能。普通に置いただけでも相当な存在感があるので、置き場所にはかなり苦慮する。一体型であることが、かえって裏目に出ている格好だ。
またGoogle HomeやAmazon Echoを使い慣れていると驚くほど低い聞き取り性能も、利用にあたってはネックになる。部屋の離れた場所から小声で話し掛けても、また起き抜けで舌が回っていない状況で指示しても正確に聞き取ってくれることを期待していると、早々に投げ出してしまうことになる。
マイク性能に関しては、音声認識の精度にまつわる諸問題と異なり、ハードウェア性能に依存することから、この先バージョンアップでの大幅な改善も望みにくい。Clova WAVEを使う上での最大のネックはこれといってよいだろう。
ただし、至近距離に設置することが可能でなるべく大きな声で話し掛けられるならば、少々話は変わってくる。なにせスマートリモコン製品は通常は1万円程度するわけで、スマートスピーカー1台分の価格(Clova WAVEは税込み1万4000円)でそれらが付いてくるのは、コスト的にも非常にお買い得だ。
そうした意味で、手持ちの家電製品に対応していることが購入前の段階で確認できているか、あるいは今後のソフトウェアアップデートでリストにないリモコンを学習できる機能が追加されれば、スマート家電を操作するための専用デバイスと割り切って導入するのも、悪くない選択といえそうだ。
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