「スマートスピーカーの誤反応」はどれくらい起こる? 100時間テストした結果:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はスマートスピーカーがテレビの音声でどれだけ誤反応を起こすか、約100時間にわたってテストを行った。
結論:少ない製品はゼロ、多い製品では1日に8〜9回もの誤反応が発生
以上のように、約100時間にわたってテストを行ったわけだが、合計回数をまとめると以下のグラフのようになる。製品による発生頻度の違いは明らかだ。
デバイス別に見ていこう。まずAmazon Echoだが、誤反応ゼロという優秀な結果だった。米Amazon.comは2018年1月に、リアルタイム音響指紋を解析することによってテレビなどの音声でAlexaが起動しない技術を搭載したと発表しており、こうした対応が功を奏しているのかもしれない。
日ごろAmazon Echoを使っている筆者も、Alexaの誤反応の少なさは突出している(皆無ではない)と感じるが、今回の結果もそれを裏付けている。
次にGoogle Home。約100時間に9回ということは、丸1日テレビをつけっぱなしにした場合、2〜3回は誤反応が発生する計算になる。今回の結果だけ見ると、アニメで反応しやすいなどジャンルごとの差があるので、もう少し時間をかけてチェックすれば、特定ジャンルではマイクをミュートして誤反応を防ぐという運用上のワザが編み出せる可能性もあるが、ユーザーの側がそこまでするのは本末転倒だろう。
そしてClova WAVE。約100時間に36回ということで、テレビをつけっぱなしにしていると1日に8〜9回は誤反応が起こる計算になる。いったん誤反応が起こると十数分以内にまた誤反応が起こる傾向も見え隠れしており、テレビのある部屋に置くこと自体が考えものだ。
「Clova」という起動ワードのシンプルさが影響している可能性はあるが、それならもっと誤反応を起こしにくい起動ワードをデフォルトに設定するべきで、全体的にちぐはぐな印象だ。
なお、前述の通り今回のテストは各スマートスピーカーのマイクの聞き取り性能を考慮していない。つまり、聞き取り性能の低い製品ほど誤反応が起こりにくく、結果として優秀な製品と誤解される可能性があるわけだが、今回の結果はその真逆ともいえる内容だった。結果として聞き取り性能をはじめとした各スマートスピーカーの性能差が、はっきりと現れた格好になっている。
以上、ある程度条件が限られた中でのテストではあるものの、なかなか興味深い結果が出たように思う。読者諸兄の参考になれば幸いだ。
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