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GeForce RTX 2070は誰のためのグラフィックスカードか(1/3 ページ)

4K高画質のゲームプレイを目指したくても今はグラフィックスカードが高い。ならばWQHDの高画質で時が満ちるのを待つ、という選択もあるはずだ。ベンチマークテストで性能を比較。

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 NVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 20」シリーズに、先行して登場したGeForce RTX 2080 Ti、同2080に続いてGeForce RTX 2070も加わっている。GeForce RTX 2080 Tiおよび2080は既にレビューしているのでそちらを参考にしていただくとして、今回はGeForce RTX 2070のパフォーマンスを明らかにしていきたい。

RTX 2080からスペックダウンもTDPのマイルドさは魅力

 GeForce RTX 2070は、これまでのところ発表されたRTX 20シリーズの中では下位であるが、2560×1440ピクセル(WQHD)液晶ディスプレイでのゲームプレイを想定したパフォーマンスという位置付けだ。

 WQHD対応ディスプレイは、解像度的に4KとフルHDの中間で、GPU負荷も中間あたりになる。フルHDよりも高精細な映像を求めつつ、4Kほどのコスト(4Kディスプレイ+ハイエンドグラフィックスカード)はかけられないといった場合の選択肢として有効だ。実際、最近ではWQHD対応のゲーミング液晶ディスプレイが豊富にラインアップされるようになっている。

 まずはGeForce RTX 2070のスペックを見ていこう。

製品名 RTX 2080 Ti RTX 2080 RTX 2070
コードネーム TU102 TU104 TU106
GPC数 6基 6基 3基
SM数 68基 46基 36基
CUDAコア数 4352基 2944基 2304基
RTコア数 68基 46基 36基
GPUクロック 1350MHz 1515MHz 1410MHz
ブーストクロック 1545MHz 1710MHz 1620MHz
メモリの種類 GDDR6 GDDR6 GDDR6
メモリバス幅 352bit 256bit 256bit
メモリ容量 11GB 8GB 8GB
メモリデータレート 14Gbps 14Gbps 14Gbps
テクスチャユニット数 272基 184基 144基
ROP数 88基 64基 64基
NV-Link 2レーン 1レーン
TDP 250W 215W 175W

 GeForce RTX 20シリーズは、GeForce RTX 2080 Tiを頂点とし、RTX 2080とRTX2070はそこからスペックを抑えた構成となる。GeForce RTX 2070はGPCの段階で上位GPUの半分となり、SM数やCUDAコア数、RTコア数、テクスチャユニット数が削減されている。一部はGeForce RTX 2080と共通のスペックもあり、メモリはバス幅が256bit、容量も8GB、ROP数も64基で同じだ。

 もう1つの大きな違いがNV-Linkで、GeForce RTX 2070はこれに対応していない。NV-Linkを試したい方は、GeForce RTX 2070よりも上を目指さなければならない。ただし、こうしたスペックの削減分、TDPは175W(Founders Editionは+10W)と、いくぶんか“マイルド”になっている。

GeForce RTX 2070 Founders Editionで外観をチェック

 今回入手したのは、NVIDIA純正であるFounders EditionのGeForce RTX 2070カードだ。ブーストクロックは1710MHzで、GPUクロックは1410MHz。


GeForce RTX 2070 Founders Edition

GPU-Zの画面。Founders Editionのブーストクロックである1710MHzが確認できる

 まず、レファレンスデザインクーラーの基本的な外観は、GeForce RTX 2080 Tiおよび2080と同じで、大口径デュアルファン構成である。ただしカード長は短く、前後のファンの間隔が上位GPU搭載品よりも近い。かなり小さめのPCケースにも搭載できそうだ。


ファンの間の幅が2080よりも狭い。カード長も基板部でおよそ228mm

 ブラケットの映像出力端子を見ると、DisplayPort over USB-Cに対応したUSB 3.1 Type-C端子が用意されたことに加え、DisplayPortを1基減らし、代わりにDVI-Dを1基搭載している点が上位モデルと異なる。DVI-D端子のあるディスプレイを利用している方にとっては変換ケーブルが不要という点でメリットといえる。


上位モデルと比べてDisplayPortが1基減り、DVI-Dに置き換わっている

シルバーのバックプレートも搭載している

 上部レイアウトからはNV-Linkに対応していない点も確認できる。そして、ここには補助電源コネクターがない。奥行きを短くしたGeForce RTX 2070 Founders Editionでは、補助電源コネクターを後部にレイアウトしている。PCケースのグラフィックスカード搭載スペースで検討すると、奥行きは多少必要となるが、一方で幅については側板との干渉の恐れがなくなる。また、透明な側板のケースを用いた場合における、「電源ケーブルをできるだけ隠したい」といったニーズでメリットがありそうだ。


NV-Link端子と補助電源コネクターのないスッキリした上部レイアウト

補助電源コネクターがあるのは後部。8ピン×1基でまかなえる

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