2019年の「Surface」新モデルはどうなる? 米名物記者が予想:ITはみ出しコラム
Microsoftの「Surface」ブランドについて、立ち上げから現在、そして未来予測までを取材してまとめた書籍「Beneath A Surface」が米国で発売。Surfaceにまつわる裏話や2019年以降の新モデル予測に注目です。
昨今はスマートフォンやPCの新製品が発売される前に、さまざまな予測やうわさ話がネット上にあふれるようになりましたが、信頼できる情報はそう多くありません。
Thurrott.comは、米Microsoft製品の予測記事で定評のあるメディアの1つです。そのベテラン記者、ブラッド・サムスさんが本を出しました。タイトルは「Beneath A Surface」。うまい! Microsoftのハードウェアブランド「Surface」と、「表面下で」という意味をかけてます。
内容は、Surfaceの立ち上げから現在、未来を、Microsoftのチーフプロダクトオフィサーのパノス・パネイさんを含む多数の人にインタビューし、発表イベントにも通って取材してまとめたものです。
米国で出版された本を当日入手できるなんて、Amazonはありがたいなぁと思いつつ、早速Kindle版をぱらぱらめくってみました。
ちゃんと、2007年のテーブル形「Surface」から始まっています。2018年現在のSurfaceブランドから見ると、あれから随分遠くに来たものだと感慨深いです。
記憶に新しい、10月のニューヨークでのSurfaceイベントについても詳しく書かれています。多くの米メディアがこのイベントではマイナーアップデートしか発表されないと、早い段階から報じていて、何で分かるんだろうと思ったら、Microsoft自身が新しいフォームファクターはないよ、と予告していたんだそうです。
Microsoftはここ数年、毎年10月にSurfaceイベントを開催していて、今年は目玉がないからやめようかどうしようか悩んだとか。6月末には「Andromeda」のうわさ(詳しくは後述)が盛り上がってしまったので、なおさらです。
うわさ通り、イベントはストリーミングすらされず、発表されたのはちょっとだけアップデートした「Surface Pro 6」「Surface Laptop 2」「Surface Studio 2」と、周辺機器の「Surface Headphones」だけでした。
サムスさんの本によると、先代で番号が取れて「Surface Pro」になっていたのに、新モデルに「6」が付いたのは、サポートセンターが悲鳴を上げたからとのこと(番号がないと、どの世代のSurface Proのことか分かりにくい)。Surface Pro 6とSurface Laptop 2にUSB Type-Cポートがないのは、もちろん技術的にできないからではなく、「パネイさんが嫌いだから」だそうです。でも次期モデルにはつきそうです。
この本の目玉は最後の章で、向こう2年間のSurfaceについてのロードマップ(あくまでも予測)を披露しているところ。まとめさせてもらいました。
- Surface Laptop:2019年第4四半期にAMDの「Picasso」アーキテクチャ採用モデルが出るかも
- Surface Pro:2019年第4四半期に大幅リフレッシュし、Type-Cポート、狭額縁化、角丸、新色追加するかも
- Surface Book:現在開発中の新しいヒンジがうまくいけば、2020年第1四半期に新モデルが出るかも
- Surface Studio:2020年に、「Surface Hub 2」の延長線上にあるような、モジュラーデザインでオールインワン型だけど、PCの部分だけアップグレードできるようなモデルが出るかも
Andromedaについては、「出す必要はないけど、PCの未来を示すハードウェアだとMicrosoftは考えて」いて、2019年中にリリースするかも、だそうです。Andromedaは当初、たためばポケットに入るLTE搭載の2画面端末という定義でした。でも、そんな端末の強いユースケースが見つけられず、ちょっとお蔵入りになっているそうです。現在開発しているものは、もうちょっと大きいものになりそうだとのことです。
Microsoftは2019年の春にもSurface関連イベントを計画していて、そこでは「スマートフォンを使うときのイライラを何とかするための製品」だけど、スマートフォンじゃないものを発表するそうです。いよいよ電脳メガネでしょうか?
Surface Headphonesを見れば分かるように、SurfaceはPCだけでなく、(XboxとHoloLensは別として)Microsoftのハードウェア全体のブランドになろうとしています。Microsoftはサティア・ナデラCEOの下、クラウドにシフトしていますが、ナデラさんとパネイさんの絆は強く、ナデラさんもSurfaceブランドを育てていこうと思っているそうです。
「Surface Glasses」がもし出るとしたら、楽しみだなぁ。
関連記事
- Surface Pro 6は何が変わった? 先代Proとスペック比較!
スペックを上げつつも価格は抑えた。 - 「Surface Go」日本モデルを冷静にチェックする
発表直後から「Office付きで米国モデルより割高」という面に注目が集まっている「Surface Go」の日本モデル。製品発表会で説明を聞き、実機にも触れた筆者の率直なインプレッションをお届けする。 - 今どきのサブノート探し 「Surface Go」なら満足できる?
サブノートとして「Chromebook」を使っている筆者が、「Surface Go」について気になるポイントを語ります。 - 「Surface Go」日本版は本当に高いのか Office付属は妥当なのか
ウワサの低価格Surfaceこと、「Surface Go」がついに登場した。しかし、日本モデルは米国モデルと一部仕様が異なり、それもあって最小構成価格が高めなことで、批判の声も少なくないようだ。今回はSurface Go日本モデルのこうした点について考察する。 - 「Surface Go」にLTEモデル登場 法人向けに11月29日発売
日本マイクロソフトが「Surface Go」のLTEモデルを法人向けに発売する。価格は8万円台半ばで、個人向けの販売は“未定”としている。 - 「Surface Go」と9.7型「iPad」の価格やスペックを徹底比較 それぞれ長所と短所は?
日本マイクロソフトが7月11日に発表した、2in1ノートPC「Surface」シリーズの新製品「Surface Go」。10型と小型で価格も廉価。そうなると気になるのはiPadとの比較。それぞれの製品を比較して、長所や短所を見比べてみた。 - ゲーマーじゃないのにゲーミングノートPCが気になる理由
きっかけは、仕事用ノートPCの「Backspace」キーが壊れたことでした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.