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マイニング最終波にまさかのCore i枯渇……波乱の2018年アキバを振り返る2018年アキバまとめ前編(3/4 ページ)

2018年のアキバ自作街はマイニングブームや全般的な買い換え需要などで好調に幕を開けた。春先から第2世代Ryzenが順調に人気を得る一方、長らく主流を担ってきた第8世代Core iが秋以降に枯渇するなど、波乱含みの1年だったといえる。

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実力あり、棚からぼた餅あり、でシェアを伸ばしていくRyzen

 年末年始のマシン買い換え需要の一翼はAMDのRyzenも担っていた。第8世代Core iと並んで年初から好調で、2月に入るとGPUを内蔵した「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」が登場。とりわけ前者の2400Gの評価が高く、複数のショップで売り切れと再入荷を繰り返す様子がみられた。当時、マイニングブームによる全般的なグラフィックスカードの値上がりが人気を後押しているとの声も複数耳にしている。

 mini-ITXサイズのX370、B350マザーとの組み合わせが大ヒットし、3月ごろにはマザー売り場でそれらが並ぶ売り場だけがスカスカになっている光景がみられた。


AMD「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」

3月初旬のTSUKUMO eX.の売り場。Ryzen対応のmini-ITXマザーの在庫が品薄になっていた

 Ryzenの勢いは、GPU機能なしの標準ラインが世代交代した4月以降も加速していく。発売日の4月19日には深夜販売イベントを実施するショップが複数あり、100人以上のユーザーを集めたTSUKUMO eX.は、「最上位の『Ryzen 7 2700X』(税込み4万1000円強)でもクーラー付きで1800Xより安いくらいですから、お得感がありますよね。Intelの同価格帯と比べてもひけをとりませんし、シェア争い的に脅威になるんじゃないかと思います」と当時コメントしている。

 第2世代Ryzenは前世代対応マザーとも組み合わせられるが、同時に登場したX470チップセット搭載マザーとセットにするユーザーも多かった。第2世代Ryzenの自動オーバークロック機能「XFR2」や、負荷に応じてコアごとのクロック数を微調整する「Precision Boost 2」などをサポートしているのが特徴。8月には下位ラインアップのB450マザーも出回るようになる。


パソコン工房 秋葉原BUYMORE店の深夜販売POP

4月下旬、パソコンSHOPアークの新製品コーナーに並ぶX470マザー

 秋以降は、ライバルであるIntelのCore iシリーズのミドルレンジ〜エントリークラスが軒並み品薄となったことで、在庫が十分にあるRyzenをプッシュするPOPが各店で自然と増えていった。

 実際にRyzenの売れ行きがじわじわ伸びているという声もよく聞いている。パソコンSHOPアークは「以前はIntelからAMDへの乗り換えは抵抗感を強く持つ人が多かったのですが、Ryzenになってからは確実に垣根が低くなったと感じます」と話していた。

 しかし、一方でCore iの不足分を補うほどの状況にはなっていないことも見落としてはならない。11月に聞いた某ショップの言が印象的だ。「Core iが品切れしている分が全てRyzenに流れたら、たぶんあっという間に街中で在庫切れになります。元の状態でCore i対Ryzenは7対3程度の売れ行きですから、Ryzenの在庫もそれなりなのです。薄氷のうえでRyzenが代替として存在している感じです」


Socket AM4最安CPU「Athlon 200GE」が9月末に登場。税込み7000円でエントリー需要を支える存在に

11月に撮影したパソコンSHOPアークのCPU価格表

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