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「Cintiq 16」と海外産の廉価液タブを徹底比較 人気プロ絵師が描き心地をチェック (6/6)

液晶ペンタブレットのエントリー価格帯に飛び込んだワコムの「Cintiq 16」と、魅力的な価格で注目を集める海外廉価液タブ「Artist Pro 16」「Artitst 15.6」「Kamvas Pro 13」を比較レビュー。性能から実際の描き心地までrefeia先生がチェックするよ!

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まとめ

 それでは、いつものようにまとめていきましょう。

Cintiq 16

気に入った点

  • 洗練された本体デザイン
  • アンチグレアパネル
  • 下位機の流れをくんだ実用性が高いペンホルダーと、上位機と共通のペンが同時に得られる
  • (ちゃんと動作すれば)よく調整された、sRGB目標として使いやすいディスプレイ
  • 安定の三又ケーブル
  • カスタマイズ性が豊かなドライバ

難点になり得る点

  • ディスプレイの明るさを変えるにも30秒待ち
  • 少なくとも評価機については、発色やコントラスト比はGPU毎に現れる問題があり、明るさ調整にも問題がある
  • 高めの角度を付けた設置には別売のスタンドが必要

Artist 15.6

気に入った点

  • 扱いやすい、薄い板状のデザイン
  • アンチグレアパネル
  • ほぼ違和感なく使えるペン
  • 挿抜しやすく、差し込み時の安心感も高いUSB Type-Cベースの三又ケーブル
  • 非常に買いやすい価格

難点になり得る点

  • ペンの傾き方によってカーソルがずれる現象
  • ディスプレイが品質が良いとは言い難く、調整不足
  • スタンドが付属しない

Artist Pro 16

気に入った点

  • 高い角度を付けられるスタンドが付属している
  • ほぼ違和感なく使えるペン
  • 光沢パネルによるクリアな表示
  • 買いやすい価格

難点になり得る点

  • ペンの感触で一歩劣る光沢パネル
  • ペンの傾き方によってカーソルがずれる現象
  • 色域は広いものの調整不足で、そのままでは使いづらい発色のディスプレイ

Kamvas Pro 13

気に入った点

  • 洗練されたデザインの金属製ボディー
  • 汎用性の高いスタンドが付属している
  • 視差が小さいアンチグレアパネル
  • 今回の4機種で最も洗練された、USB Type-CベースL字端子の三又ケーブル
  • よく調整されたディスプレイ
  • 非常に買いやすい価格

難点になり得る点

  • ペンにジッターの問題があり、傾き方によってカーソルがずれる現象もある
  • 色域が広く、sRGB目標として使いづらいディスプレイ

 ……といったところでしょうか。

 ここまで、右往左往しながら見てきましたが、各機種それぞれに、細かい問題もあれば、満足しづらい残念な点もありました。Cintiq 16は「色転びとコントラスト比の問題さえなければ……」ですし、XP-Penの2機種は「ディスプレイが調整されてさえいれば……」、Kamvas Pro 13は「ジッターさえなければ……」です。

 とはいえ、どの機種も、多少のことは許せてしまう魅力的な値付けになっているのも確かです。自分は21型の液晶タブレットが40万円近くしていた時代を見ているのでなおさらそう思います。今回見た機種は、弱点を把握して意識しながら使ったり対処できるならば、どれを買っても悪くないと思えました。

 Cintiq 16については、この価格に飛び込んでくるとは思っていなかったので本当に驚きでした。依然として他社より高価とはいえ、キーデバイスに上位機と共通のものを使用しつつ、このサイズのCintiqとしては少し前の感覚ではありえない、買いやすい価格を実現しています。正直かなり強いと思います。これまで、超低価格の液晶タブレットとCintiq ProやMobileStudio Proなどの高級機が離れたところで勝手にやっていて、低価格帯に基準といえる製品がなかった所に、新たに基準が立てられたように見えます。

 XP-PenやHUIONの製品については、惜しい点が幾つかあるものの、描く行為としては驚くほど「普通に」こなせるようになっていると感じました。高級機や性能の基準になるような製品を作るのも大事な役割ですが、低価格機で間口を広げるのもまた、大事な役割です。

 ついに、カジュアルに描きたい人や予算が少ない人も、ペンタブレットをすっ飛ばして液晶タブレットから入れるときが来てしまいました。「昔の人は画面がない板でデジ絵を描いていた……? えー? どうやるんですか?」……そんな時代が意外とすんなり来るかもしれませんね。

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