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現実味を帯びてきたMicrosoftの2画面折りたたみ型デバイス「Andromeda」鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

以前から話題に挙がっているMicrosoftの2画面折りたたみ型デバイス「Andromeda」だが、Windows 10の最新動向を伝えるWebサイトの閉鎖がきっかけで再び話題に上っている。

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 ここ数日、新デバイス関連の話題でMicrosoftウオッチャー周辺が色めき立っている。本連載でもおなじみだったWindows 10の開発途上ビルドに関する最新情報を伝えるサイトが、ある開発ビルドの出現を報告した直後、突然サイト閉鎖に至った。元々、内部開発ビルドの情報がたびたび流れており、Microsoftを含む関係者からの圧力もあったと思われるが、何がその引き金になったのだろうか?

謎のビルド「rs_shell_devices_foldable」

 サイト閉鎖が話題になっているのは、本連載で何度か情報を参照している「Buildfeed.net」だ。通常のWindows Insider Program参加者では見られない、Microsoft内部の開発途上ビルドの最新情報が確認できるため、大規模アップデートが提供される直前のビルド番号の推移や、アップデート提供の有無などの確認に重宝していた。

 一方で、前述の理由でMicrosoft関係者からの警告があったことは想像に難く、これが結果的にサイト閉鎖につながったと想像できる。現在、同サイトにアクセスするとお別れメッセージのみが掲載されており、何も情報は掲載されていない。ただ、サイト閉鎖直前に出ていた情報が大きなトピックであり、これが直接的な原因ではないかと考えられたのが騒動の理由だ。

Andromeda
1月15日(米国時間)に突然閉鎖されたBuildfeed.netは、お別れメッセージのみを残してサービスを終了した

 Neowinなどが報告しているが、このサイト閉鎖の十数時間前に「18313.1004」というビルド番号の「rs_shell_devices_foldable」という謎の種別のビルドが出現したことがTwitter上で報告されており、これが長らくうわさされているMicrosoftの「Andromeda」という折りたたみ型の2画面デバイス用のOSビルドなのではないかと考えられていた。

 以前のレポートにもあるように、先日リリースされたばかりの「Redstone 5(RS5)」こと「October 2018 Update(1809)」では、折りたたみ型デバイスでないとあり得ない形状変化を記したAPIが実装されたことが報告されており、これをさらに発展して「19H1(開発コード)」の名称で知られるWindows 10の次期大規模アップデートで新型デバイス向けの“OSブランチ”を設けたとしても、不思議ではないだろう。

Andromeda
Buildfeed.netが報告している「rs_shell_devices_foldable」という名称を持つ「18313.1004」という番号の謎めいたビルド

 これに呼応するかのように、The Vergeのトム・ワーレン氏は同件に詳しい情報筋の話として、Microsoftがデュアルスクリーンの折りたたみ型端末を開発中との話題を伝えている。ワーレン氏は時期こそ明言していないが、Royoleの「FlexPai」や、2月にも正式発表が見込まれるSamsungの折りたたみ型端末に触れ、2019年にデバイス動向に大きな変化が生まれつつあることを指摘している。

 元々、このAndromedaのうわさが出た際、事情に詳しい人々は異口同音に「準備は水面下で進められており、早ければ2019年、あるいはそれより後」という形で、比較的早いタイミングで登場する可能性も示唆しており、早ければ同時期にMicrosoftならびにOEMメーカーらが関連製品を市場投入する可能性がある。

 もし実際にデバイスや新しいコンセプトが発表される場合、タイミングは複数ある。例えばSamsungが2月20日に米サンフランシスコでUnpackedイベントを通じてGalaxy Sシリーズの新製品や折りたたみ型端末を発表した直後のMWC、5月にシアトルで開催がうわさされるBuild Conference、あるいはOEMパートナーが集まる6月のComputex Taipeiなどだ。

 あるいは年末商戦を見込んで9月のIFAや独自のプライベートイベントなど、いくつかの機会が考えられる。いずれにせよ、やや微妙な雰囲気が漂っている2019年のハードウェアの世界に、少しだけ新しい風が吹き込むことになるかもしれず、その意味で楽しみだ。

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