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Microsoftの「HoloLens 2」をいち早く体験、かぶった瞬間に分かる驚き鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

Microsoftが、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC19 Barcelona」で新型MRヘッドセット「HoloLens 2」を大量に展示した。早速使ってみたが、なかなか刺激的な体験だったのでその模様をお届けしたい。

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 Microsoftは2月24日(欧州時間)、スペインのバルセロナで開催中の「MWC19 Barcelona」において「HoloLens 2」ならびに関連ソリューションを発表した。ここでは、現地会場で実際にHoloLens 2を体験することができたのでレポートしよう。

 ただHoloLens 2はその性質上、実際の操作画面を写真で残すことはできない。事前にセッティングした手持ちの環境であれば、キャプチャツールを使って動画含めてデモの詳細を残すことが可能だが、単なる体験コーナーではそれもかなわない。今回は初代モデルとの体験の比較を文章だけで表現する形になることをご容赦いただきたい。

HoloLens 2
大々的に復活した「MWC19 Barcelona」でのMicrosoftブース

セットアップ、視野角、操作感が大幅にアップ。

 筆者が40分以上にわたる行列待ちをくぐり抜け、HoloLens 2を最初に装着して驚いたのは、その視野角の広さだ。以前のレポートにもあるように、初代モデルでの体験は「のぞき窓」という表現が適当だった。

 体から少し離れた位置に長方形の空間が出現し、そこにホログラムが浮かび上がる。操作感も「エアタップ」と呼ばれる操作で“のぞき窓”越しに遠隔操作を行っているような感覚であり、まだ現実空間との乖離(かいり)があった。Spatial Mappingによる地形把握とオブジェクトの相関関係のリアリティーは他の追随を許さないレベルではあったものの、おそらく多くの人には「こんなもんなんだ」という感想を抱かせたかもしれない。

HoloLens 2
今回のMicrosoftは「HoloLens 2」づくし
HoloLens 2
ブース内ではHoloLens 2が随所に展示されていた

 だがHoloLens 2では、ヘッドセットをかぶった瞬間に視覚いっぱいにSpatial Mappingによるメッシュ状の地形が広がっている。むしろかぶり方の問題で、バイザーに上方向の視線が遮られていたほどだ。セットアップも容易で、今回はバイザーの大きさを背面の“ツマミ”で調整して頭の大きさに合わせて固定した後、視覚内に表示されるオブジェクトを“視線”で追いかける動作を7〜8回ほど繰り返すだけでいい。

 初代モデルではGaze Trakingと呼ばれる視線移動動作はサポートされておらず、カーソルの移動にわざわざ頭を動かす必要があった。HoloLens 2では視線の移動を認識するので、頭はそのままに目線でオブジェクトを追いかけるだけで済む。逆に初代モデルに慣れた人は、このあたりで戸惑うかもしれない。

 HoloLens 2のセットアップが完了したら、実際の体験に移る。今回筆者が選択したのはDynamics 365のコーナーだ。先に体験したというライターの西田宗千佳氏の勧めもあり、なるべく長く(体験時間は最大20分ほど)、かつHoloLens 2の機能を最大限に体験できるということで選んでみた。その代わり、個々の体験時間が長いせいで待ち時間が長くなってしまったが、Microsoftが意図するHoloLens 2体験を存分に楽しめたと思う。

HoloLens 2
筆者が体験したDynamics 365のコーナー

 内容としては、整備工場で発生したトラブルを、Skype通話経由でオペレーターの指示に従って解決するというものだ。まずSkypeを起動し、体験コーナー左側にある機械を操作、続いて右側の機械を操作して内部のベルトを交換するという流れだ。

 ホログラムとして浮かび上がるオブジェクトを直接操作する場面はないが、目の前の空間上に矢印が出現したり、オペレーターがSkype越しに赤丸を浮かび上がらせて指示をしたりするため、単純に音声で指示してくるよりも分かりやすくなっている。

 作業状況は遠隔でのモニタリングの他、HoloLens 2のカメラを通じて視界が共有されているので、やはり音声のみで状況を伝えるよりは分かりやすい。よく刑事ドラマなどで本部のオペレーターとのやり取りで現場の状況説明に苦慮しているような場面を見かけるが、HoloLens 2をかぶっていればより的確な情報共有が行えるだろう。

HoloLens 2
発表会中でも触れられたカスタマイズ版HoloLens 2。ヘルメット併用を意識した形だ
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