「ID貸して」なんでダメ? ゲームもダウンロード販売になった現代の「貸し借り」問題(2/2 ページ)
さまざまなサービスが買い切りからサブスクリプションに移行し、「CDを貸し借りする」というような体験がなくなりつつあります。そんな現代の子どもたちの間では「IDを貸して」とねだられる事例も。問題点を解説します。
安全を考えるなら「ゲストWi-Fi機能」、さらには「家庭内UTM」?
この問題の解決は少々厄介です。まず、家庭内無線LANを「おすそわけ」するという意味であれば、最近販売されている無線LANの親機に搭載されている「ゲスト機能」を利用するといいでしょう。これはNASや家庭内のインターネット接続機器をもつネットワークとは異なる、独立した別のゲスト用ネットワークを作成するものです。
子どもたちにはこちらのネットワークを利用してもらうことで、家庭内の機器は安全になるでしょう。また、Nintendo Switchに限っていえば、公式が無料提供しているペアレンタルコントロールアプリ「みまもり Switch」が大変よくできています。お子さまが外にSwitchを持ち出しても何時間遊んでいたか知ることができるので、必ず設定しておくべきです。
しかし、ここまでの対策では子どもたちが「インターネットにつなぎ放題」であることは変わりません。
携帯ゲームだけならまだしも、あなたの家の近くに来て問題のあるWebサイトにつながれては、その子の家庭にも、あなたにも問題が起きえます。そのため、ゲストネットワークに対しては少々厳しめのアクセスコントロールを行わざるを得ないかもしれません。
また、最近ではトレンドマイクロの「ウイルスバスター for Home Network」や、Bitdefenderの「SECURIE HOME」など、家庭向けUTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)が登場しています。
これらの製品はネットワーク接続してきたデバイスを管理できるので、より細かなコントロールが可能です。例えばあなたの子どもが友達を家に連れてきて、家庭内ネットワークにつなぐとあなたのスマートフォンにプッシュ通知が飛んできて、接続するかどうか許可の判断ができるのです。
それでも、家庭内ネットワークからインターネットに接続することは、各家庭で考えているネットワーク利用ポリシーに反する可能性があります。ここまで来るともはやITの機能では打つ手なしで、あとは子どもたちの自主性に期待するしかありません。個人的にはフィルタリングもモニタリングもそこそこにとどめ、コミュニケーションで補完したいと思いつつも、自信はないというのが本音なのですが……。
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