PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「シリアルポート」を活用する:シリアルポートはこう使え!(2/3 ページ)
人気の高い超小型PCの中でも、「GPD Micro PC」はかなり異色の存在だ。標準装備の「シリアルポート」を活用してみた。
GPD Micro PCにシリアルケーブルをつなげてみた
そういうわけで、GPD Micro PCが持つ実力をフルで検証するために、シリアルポート対応周辺機器を接続してみた。といっても昔々に存在したシリアルマウスとかFAXモデムの類ではない(自宅倉庫の奥底に眠っていたりするが)。
せっかくだから“シリアルポートでPCと通信する工業製品”をつなげてみたい。そこで、手元にある「Smart Radio 161」(以下、SR161)を接続した。SR161は舶用機器に接続する特定目的のための無線受信器だ。
ここでは、詳しい解説を省くが、他の船が無線(VHF)発信した自分の船名や位置、速度、そして針路などに関する情報をSR161で受信し、シリアルポートで接続した舶用機器に表示する。
その見た目は、航空管制用の画面やレーダーに近く、自分の船と周囲の船の位置関係を可視化して衝突防止などに活用できる(元々は周囲の船の名前を分かりやすくして無線で呼びかけしやすくするのが目的だった。この「AIS」(Automatic Identification System)というシステムについてはこちらの記事で解説している)。
「Windows 10ってシリアルポート使えるのかよ!」と驚く人が少なからずいるかもしれない。しかし、デバイスマネージャーの「ポート(COMとLPT)」項目に「Communication Port(COM2)」としてシリアルポートのRS-232Cを認識している。
あ、あのD-Sub 9ピンって、COM1じゃなくてCOM2なんだ……。GPD Micro PC(というか導入しているWindows 10 Pro)は、RS-232C D-Sub 9ピンをCOM2と認識した次に、Bluetooth経由のシリアルポートをCOM3、COM4と認識、その後、USBなどの接続したシリアルデータ通信デバイスにCOMポートを割り当てている。
シリアルポートの接続は、Window 10の時代となってもプラグ&プレイとはいかない。デバイスをインタフェースに差しただけで、使用するポート番号や通信プロトコルをOS側(とドライバ)が自動で設定し、アプリケーションでそのまま使える、わけではない。デバイスマネージャーで通信形式や通信速度を設定した上で、さらに、シリアルポートによるデータ通信を利用するアプリケーションでもポート番号の指定と通信形式、通信速度を設定してようやくアプリケーション側でシリアルポートからデータを受信して画面に表示できるようになる。
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