GPD Pocket 2のキーボードを“ねちっこく”使ってみた(2/4 ページ)
昨今の超小型PC人気の火付け役となった「GPD Pocket 2」の入力環境について、改めて焦点を当ててみた。
やっぱり気になるのは「あのキーボード、使い物になるの?」
GPD Pocket 2にしてもGPD Micro PCにしても、メインで使うPCではない。採用CPUも載せているシステムメモリの容量も内蔵するストレージのインタフェース規格も、約460gというサイズ(そして7万円台〜という価格)のPCを実現するために“抑えた”仕様となっている。なので、とりあえず何でも使えるPC、ではなく、使う場面を明確に想定し、その使い方に耐えうるだけの使用であるか否かを十分検討する必要がある。
私がGPD Pocket 2を使うとき、その主な目的は「どこでも文字を入力する」ことにある。
181(幅)×113(高さ)×8〜14(奥行き)mmの本体サイズ、特に181×113ミリという「ほぼB6サイズ」のフットプリントは置く場所を選ばない。
新幹線や飛行機(もちろんエコノミー)のテーブルはもちろんのこと、街の外資系カフェのコンパクトな1人用テーブルでも、食べかけのポテトフライとドリンクを置いたファストフードの小さい1人用テーブルでも、書類とコーヒーカップが同居している乱雑な仕事机の上でも、さして苦もなく置ける。PCが主役でない生活をしている人、もしくは、自分が常にいるところ「ではない」場所でPCを使うことが多い人にとって、この条件は非常に重要だ(体験者は語る)。
ならば、GPD Pocket 2は文字入力に十分耐えうるデバイスなのだろうか。標準的なキートップのキーピッチは、既にこちらの記事にある通り、一部が17mm、その他一部の機能キーを除いて16mmを確保している。
実際に入力してみると、キーピッチによって指の動きにストレスがかかることはない。ストロークも確保されているだけでなく、推した指の力もしっかり受け止め、かつ、ぐらつきなどがない精度の高い工作もなされている。キー入力するという視点において、このキーボードはレベルが高いと評価していいだろう。
なお、キー配列は日本のPCで一般的なJIS配列ではなく、海外製PCでよくあるASCII配列なので、「@」や「ー」「=」「+」「;」「:」「’」「”」「*」などを入力しようとすると戸惑うかもしれない。
また、工場出荷状態で導入しているキーボードレイアウトは「英語キーボード(101/102キー)」なので、日本語入力ソフトの起動は専用で用意してある「半/全」キーではなく「Alt」+「〜」キーになる。「半/全」キーを有効にしようとしてキーボードレイアウトを「日本語キーボード(106/109キー)」にしてしまうとキートップの刻印と入力される文字が一致しなくなるのは先ほど紹介した記事で述べている通りだ。
日本語入力できっと一番よく使うキーの場所が!
キーピッチはストレスのないサイズを確保しているGPD Pocket 2のキーボードだが、キーレイアウトは通常のキーボードと異なる部分が多い。特に大きく変わったのは「右手」が受け持つ部分だ。
しかし、数字キーとアルファベットキーの右端になる「P」「L」「M」キーのさらに右側にあるキー「;」「:」「’」「”」「・」「−」「_」「=」「+」「¥」「|」「カギ括弧(「と」)」がキーボード最上段と最下段に分かれて引っ越してしまっている。
幸いにして上段にあった「−」「_」「=」「+」「¥」「|」「カギ括弧」が最上端に、下段にあった「;」「:」「’」「”」が最下段と元あった場所と連携して動いてくれたので指の方でも覚えやすく、さらに、意外と指が動かしやすい場所に移ってくれたおかげで、慣れるとかえってタイプしやすかったりする。
ただし、使う頻度がめちゃくちゃ高い「。」「>」キーだけはいただけない。「M」キーの右脇が「、/<」キーなのは標準的な配置だが、その隣には「↑」キーがあって、「。/>」キーは「↑」キーのさらに隣にある。
評価作業に要した2週間でもこれの配置に頭と指は完全に慣れていない。悪いことに「。/>」キーの上に隣接して「Enter」キーがある。通常、「Enter」キーの下にはShiftキーがあって、そうそう打ち間違えることはないのだが、「。/>」キーも「Enter」キーもタイプする機会がすこぶる多いのに加えて、Enterキーを打ち間違えたときのダメージが著しく大きい。
それだけに、「。/>」キーの配置は使い勝手に大きな影響を与えてしまっている(「↑」キーと「。/>」キーを入れ替えるツールがあるだけで、大きく改善できるはずだ)。
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