13.3型のE Inkタブレット「Boox Max3」を試す(活用編):電子ペーパーでAndroidタブはどう変わる?(4/4 ページ)
ひそかに注目を集めているE Ink搭載タブレット。Onyx Internationalの新モデル13.3型「Boox Max3」の使い勝手はどうなのだろうか。動画を交えて細かく見ていこう。
さて、本製品の実用性はどうだろうか。最近はE Inkディスプレイでも、テキスト入力に対応できるスピードの製品が登場しているが、本製品は残念ながらその域には達していない。「従来のE Inkなりのレスポンス」で、あまり多くを望むのは酷だ。
具体的には、ブラウザのスクロールはマウスホイールの動きからワンテンポ遅れるのに加え、テキスト入力についても予測変換のポップアップがタイピングに追いつかないこともしばしばだ。入力したテキストをBackSpaceで消して再入力するなど行ったり来たりの操作では、表示が追いつくまでたびたび待たされ、かなりのストレスがかかる。
もっともWebページやExcelのスプレッドシートを常時表示しておき、参照する用途ならば、十分に実用的だ。画面の下段にはコントラストを調整するためのバーが表示されるなど、使い勝手も悪くない。
ただし、動作はやや不安定なところもあり、今回も当初は問題なく利用できたが、10月にリリースされた最新ファームでは画面が表示されない不具合が発生している(動作状態の写真および動画がないのはそのためである。ご容赦いただきたい)。付加価値としてはありだが、この機能をアテに製品を買うのはあまりお勧めしない。
機能やパフォーマンスは十分。用途を見極めて選びたい
本製品の価格は実質10万円前後と、気軽に買えるとは決して言えない値段だ。とはいえ、目に優しいE Inkが大画面で使えるメリットは大きく、12.9型iPad Proなど液晶ディスプレイを長時間使っていると目が疲れてしまうユーザーにはお勧めできる。この手のデバイスにありがちなパフォーマンスの難がないのはプラス材料だ。
前述のサブディスプレイ用途など、それだけを目的に購入するには実用性に欠ける機能もあるため、購入前に目的をしっかりと見極めた方が無難だ。スタイラスについても、標準アプリではスムーズに動作するが、外部アプリでは実質的に使い物にならないといった問題もある。
同種のデバイスにあって本製品にない機能としては、E Inkのフロントライト、ページめくりボタンなどが挙げられる。全部乗せにするとコストが跳ね上がるのは明白で、実装されていないのがイコール欠点というわけではないが、購入前に把握しておきたいポイントだ。
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