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「Thunderbolt 3」でちょこっとパワーアップ GPUとRAIDストレージを外付けしてみた(2/2 ページ)

最近「Thunderbolt 3」に対応するPCが増加傾向にある。「USB4」として標準化が決まったこの規格では、USB規格よりも高速なデバイスを接続できる。そこで、外付けGPUボックスと外付けRAIDストレージを使ってみようと思う。

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TerraMaster TD2(RAIDストレージ)

 TerraMasterの「TerraMaster TD2」はThunderbolt 3接続のRAIDストレージボックスで、動画の編集や写真の管理や現像を行う人に最適化された仕様となっている。直販価格は2万9900円(税込み)で、ストレージ(HDD/SSD)は別売だ。

TD2
TerraMaster TD2(撮影:矢野渉)

 TD2は3.5インチまたは2.5インチのSerial ATAストレージを装着できるベイを2つ備え、RAID 0、RAID 1、JBOD(2つのドライブを1つのストレージと見なすモード)で運用できる。2台のストレージを独立したドライブとして運用する「シングルモード」も備えている。モードの切り替えをする場合、ストレージがフォーマットされる場合もあるので注意しよう。

 背面にはThunderbolt 3端子が2基あり、Thunderbolt 3対応デバイスのデイジーチェーン接続(数珠つなぎ)も可能だ。DisplayPort出力端子も備えており、接続先のPCのThunderbolt 3端子がDisplayPort出力に対応していれば、ここから映像を出力することもできる。

ストレージスロット
正面には3.5インチ/2.5インチのSerial ATAストレージを装着できるベイを2つ備える。ベイの着脱は比較的容易だが、ドライブの固定にドライバーが必要だ(撮影:矢野渉)
背面
背面にはThunderbolt 3端子×2とDisplayPort出力端子を備える。ストレージモードの切り替えスイッチもある(撮影:矢野渉)
ストレージモード切替
ストレージモードの切り替え説明。モードを切り替えるとストレージがフォーマットされる場合があるので注意したい

 今回のレビューでは、ストレージとしてSeagateのNAS向け3.5インチHDD「ST6000VN0001」(6TB)を2台装着し、ひよひよ氏が作成した「CrystalDiskMark 7.0.0」を使って読み書き速度をテストした。ソフトウェアの設定は初期状態のままだ。

 まず、単純なシングルストレージモードを試す。シーケンシャル(連続)アクセスでは、読み出しが毎秒220〜230MB程度。書き込みは毎秒約81〜220MBと若干のばらつきが出た。一方、ランダムアクセスでは読み出しが最大で毎秒約2.4MB、書き込みが毎秒約2MBとなった。「まさにHDD」という結果だ。

シングルストレージ
シングルストレージモードの結果。2台それぞれで計測したが、両者で有意のある差は出なかった(同じモデルなのである意味で当然)

 次に、同じストレージでRAID 0を構築して同様のテストを行った。シーケンシャルアクセスでは読み出しが毎秒約440〜450MB、書き込みが毎秒約1.5G〜1.6GBとなった。これだけの速度が出れば、「動画や写真の保存と読み出し」という想定用途には十分だろう。よりスピードを求めるなら、SSDを装着すると良いだろう。

RAID 0の結果
RAID 0モードの結果。シングルストレージモードよりも(当然だが)基本的には速い

「デイジーチェーン」もテスト

 おまけというわけではないが、TD2を介してRadeon RX 5500 XTを装着したRazer Core Xをつなぎ、FF15ベンチを実行してみた。画質などの諸条件は先のテストと同様だ。

デイジーチェーン
Thunderbolt 3のデイジーチェーン接続を試す

 スコアは4525で「やや快適」だった。その後何度かテストをした限りでは、直接PCにつないだ場合よりも少しスコアは落ち込んでいる。Thunderbolt 3端子を2基以上備えるPCでは、外付けGPUボックスだけで1つの端子につなぐと、ほんのわずかだがパフォーマンスが向上するかもしれない。

デイジーチェーン
デイジーチェーンで接続。少しだけスコアが落ち込んだ
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