第2世代「Wacom MobileStudio Pro 16」をrefeia先生が徹底チェック!(2/5 ページ)
ワコムのプロ向けタブレット「MobileStudio Pro 16」が生まれ変わり、第2世代に進化を遂げた。その使い勝手を、人気イラストレーターが“実践”視線で確かめた。
最新モデルで性能は大幅にアップ
まず、新モデルの性能アップについて見ておきましょう。CPUは4コア8スレッドの第8世代Core i7-8559U(2.7GHz〜4.5GHz)になって、先代の2コアと比べてざっくり2倍以上、GPUはNVIDIA Quadro P1000(グラフィックスメモリは4GB)に、ストレージは先のモデルの最上位版から容量こそ変わらないものの、シーケンシャル性能では数倍まで期待できるNVMe(PCIe Gen3x2 )になりました。
逆に、やや悩ましい点もあります。本機は2基のメモリスロットのうち1基に16GBのモジュールを搭載して、空きスロットを増設用に1基残しています。つまり、自分で16GBを増設しない限り、高速性を重視するPCなら当然の「デュアルチャネル」動作が無効になります。
メモリの転送速度がフルに引き出せず、最終的なCPU性能は、タスクによってばらつきますが5%〜10%ぐらい遅くなってしまいます。10%なら気にしないこともできますが、うれしい状態ではないです。とはいえ、この点はまあ、40万円もするPCを買ってメインメモリが16GBのようなみみっちい状態で使うわけないですし、問題ないです(PCオタクおじさん並感)。
実際の性能についても、CPUパワーは手元の製作用PCである第7世代Core i7-7700K(4コア8スレッド、4.2GHz〜4.5GHz)と張り合えるほどで、グラフには入れていませんがマルチコアの性能はCore i7-7700と同じぐらいあります。
イラスト用途のアプリは、そもそもGPUをあまり使ってくれず、Quadro P1000ではパワーが余っている状態にあります。つまり、今まで第7世代のデスクトップ向けCPUのCore i7で快適にイラストを製作できていた人ならば、この小さなボディーに、必要な処理能力を概ね収容できてしまいます。メモリが32GBよりたくさん必要なら、話は別ですが。
試しに一定時間で円を描くスクリプトを書いて、Photoshopで非常に重いブラシを使って3回試行するテストで比べてみました。ついでに、手元のサブPCに載っていたメモリが適合するようだったので、デュアルチャネル動作も試しておきました。
動画を見ると、7700K>デュアルチャネル>シングルチャネル、というのが読み取れると思いますが、正直、同じ条件で比べないと分からないです。シングルスレッドの処理が多いCLIP STUDIO PAINTでは、この差はもっと小さくなります。
では、ストレージのスピードも測っておきましょう。
ちゃんとNVMeのスピードですね。先代の時点で既にSATA接続は時代遅れ感があったので、トレンドをキャッチアップできてよかったと思います。
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