レビュー
4万円台で買える「Wacom One 液晶ペンタブレット13」をプロ目線でチェックした:これはワコムの"塩おにぎり"だ(4/4 ページ)
ワコムが新機軸の液晶タブレット「Wacom One 液晶ペンタブレット13」を投入した。ワコムブランドでは安価な本製品の使い勝手を、人気イラストレーターのrefeia先生が“プロ”目線で確かめた。
まとめ!
さて、ではまとめていきましょう。
気に入った点
- ワコム製品としては極めて買いやすい価格
- ソリッドでありながら親しみやすいデザイン
- 手軽な内蔵スタンド
- 取り付けと取り外しが楽で、片づけやすいUSB Type-C端子
- 動作保証はされていないものの、PCのUSB端子からの電源供給で動作する
- 使いやすいペンホルダー
- 一貫性のある摩擦(出荷時は少し不安定、柔らかい布で拭くと安定する)
- LamyやSTAEDTLERなどの他社製ペンが使え、摩擦や描き味の選択肢も広がる
- Android搭載の一部機種で使用できる
人によっては難点になりえる点
- ワコムブランド製品のつもりで買うには注意を要する筆圧レスポンス
- USB Type-C端子を使ってはいるが、付属ケーブルでしか接続できない
- 画面の最大輝度が低め
- 標準芯の摩擦は小さめで、摩擦の大きいフェルト芯は選択できない
このWacom One 液晶ペンタブレット13は、同社の製品の中では圧倒的に低価格で液晶ペンタブレットに入門できる機種です。また、コンパクトさ、片付けの容易さから、運搬しての利用や、ドキュメントへの書き込みなどの一般的なペンオペレーションなどにも適しています。生産性ツールとしても、社外製品のペンを使用したステーショナリー的な楽しみも付加されていて、一層その魅力が増しています。
一方で、イラスト用のデバイスとして見ると、多くの点で正しく作られているとは思いますが、スタンダードIntuosよりもワンランク下のペンとセンサーが使われており、特に軽い筆圧での描き味の自然さでは明らかな妥協が見られます。
上記の筆圧レスポンスや、空気層のあるディスプレイなど、iPadや他社製の安価な液晶タブレットが並み居る鉄火場になっているこのカテゴリーでは、容易ではない立ち位置ですが、デザインや総合的な扱いやすさなど、ワコムのスタンダードラインらしい魅力にあふれた製品でもあります。自身の制作スタイルや、液晶タブレット入門後のステップアップ・プランを考慮しながら検討していくと良いでしょう。
関連記事
- PCを持っていない非クリエイターにも使ってほしい「Wacom One 液晶ペンタブレット 13」が登場
ワコムが液晶ペンタブレットの「Wacom One 液晶ペンタブレット 13」を1月16日に発売する。クリエイター以外にもターゲットを広げたエントリーモデルの概要をチェックした。 - 第2世代「Wacom MobileStudio Pro 16」をrefeia先生が徹底チェック!
ワコムのプロ向けタブレット「MobileStudio Pro 16」が生まれ変わり、第2世代に進化を遂げた。その使い勝手を、人気イラストレーターが“実践”視線で確かめた。 - ワコム、Windows 10搭載クリエイター向け13.3型ペンタブPC「Wacom MobileStudio Pro 13」
ワコムは、ペンタブPC「Wacom MobileStudio Pro」のラインアップに13.3型液晶搭載モデルを追加した。 - 人気プロ絵師による「Cintiq Pro 16」発売直前ガチレビュー
液タブ歴9年のイラストレーター、refeia先生がワコムの新型4K液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 16」を仕事で使ってみた結果。 - Sidecarで液タブは不要に? refeia先生がガッツリ試したよ
iPadをMacの外部ディスプレイとして利用できるAppleのSidecarにより、PhotoshopもCLIP STUDIO PAINTもApple Pencilで操作可能になった。この“液晶ペンタブレットキラー”の登場により、イラスト界はどうなるのか? プロイラストレーターがガッツリと試した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.