5万円台スト5PCを作る――テスト結果から見えてきた必要十分なパフォーマンス【ベンチマーク編】:お手軽ゲーミングPCの道(2/6 ページ)
IntelのeSportsトーナメント「Intel World Open」(2021年に延期)に採用されたゲームタイトル「ストリートファイターV」。これを満喫できるPCを作り、その過程をお届けする本連載。今回は、さまざまなテストでスト5PCの実力をチェックした。
「ストリートファイターV」ベンチマークとは?
まずは、本連載のメインテーマである「ストリートファイターV」(以下、ストV)のパフォーマンスについてだ。
ストVベンチマークは、こちらの公式サイトからダウンロードできる。このベンチマークソフトは、手持ちのPCの性能がストVをプレイするのに十分な性能を有しているかを見極めるためのものになる。
基本的にはインストールして、プログラムを走らせるだけでOKだ。2人の登場キャラクター達が闘い合うバトルが3セット流れ、その平均フレームレートがスコアとして算出される仕組みだ。
ベンチマーク実行中は、中断用のEscキー以外はプレイヤーからの入力は無視されるが、基本的に製品版ゲームと同等の負荷によるストVバトルが展開する。バトル結果は毎回同じだ。おそらく、カプコン開発側で上級テストプレイヤーによるプレイ操作を記録し、それをベースにしているのだろう、なかなか迫力満点で、見ていて楽しげだ。
一応、このストVベンチの「OPTIONS」の解説も簡単にしておこう。「サウンド設定」と「その他設定」は特に難しい項目がないので「グラフィック設定」のみを見ていく。
「ディスプレイ解像度設定」は、基本的に接続しているTVやディスプレイの解像度にすればよいが、ストVは60fpsを安定的にレンダリングできないとまともにプレイができない。今回の5万円台スト5PCはフルHD(1920×1080ピクセル)でのプレイを想定している。4K解像度(3840×2160ピクセル)以上でのまともなプレイは、ウルトラハイエンドクラスのGPUでないと難しい。
「フルスクリーンモード設定」は全画面でベンチマークを実行する「ON」が基本となる。「OFF」とするとウィンドウモードでの実行が可能だ。
「画面品質」は「低−中−高−最高−自動設定−カスタム」が選べる。基本的には「自動設定」を選べばよい。「カスタム」とすると、設定にメリハリを付けて調整することができ、場合によってはより遊びやすくなる場合があるので、各項目を解説しておこう。
「スケーリング解像度設定」は、レンダリング解像度を上で設定した表示解像度(実解像度)の何%にするかを設定するものだ。設定範囲は50〜100で、100が最上位の「レンダリング解像度=表示解像度」となる。100未満では、表示解像度よりも低い解像度で映像を描画することでGPU負荷を抑える。表示時にはアップスケール拡大するため、設定値が低いほど映像はぼやけた感じになる
「アンチエイリアス設定」はジャギーの低減具合にまつわる設定で「低−中−高−最高」が選択できる。高品位設定にすればするほど、Zバッファへの参照数(サンプル数)が増加するのでGPU負荷は高くなる。ストVは動きが速いゲームだから、あまりジャギーを意識している機会もない。「低」設定でもプレイ中の違和感はないかもしれない。
「ポストプロセス設定」は、レンダリングしたフレームの装飾処理にまつわる設定になり「低−中−高−最高」から選べる。分かりやすいところでは、モーションブラー表現、ピンボケ(Depth of Field)エフェクトや高輝度部からの光のあふれ出し(ブルーム)表現などの違いに差異が現れる。こちらもあまりゲームプレイに大きく影響する要素ではない。
「シャドウ設定」は影の生成品質にまつわる設定で「低−中−高−最高」が選択できる。「低」設定に近づけば近づくほど、影の形状が大ざっぱになる。これもあまりゲームにプレイに影響はない表現要素ではあるが、見た目への影響は意外に大きい。
「テクスチャー設定」は質感表現にまつわる設定で「低−中−高−最高」が用意されている。模様や柄などに代表される画像テクスチャーの他、微細な凹凸表現に必要不可欠な法線マップテクスチャの品質にも影響する。コスチューム表現にも影響が出るので、プレイ感覚への影響は多少あるかもしれない。
「エフェクト設定」は、技と技がぶつかり合ったときに火花が出て発光するような特殊効果にまつわる設定で「低−中−高−最高」が選べる。「低」設定に近づけば近づくほど、簡素なものになる。エフェクトの出方は、レバーやボタン入力のタイミングを計る上でも重要な要素なのでこだわりたい表現要素である。
続いて、ベンチマークテストで自作した初号機の実力を見ていこう。
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