「Ryzen 3000XT」は7月18日午前11時に発売 価格据え置きで最大クロック向上(2万9200円〜5万9800円):StoreMI 2もリリース
デスクトップ向け第3世代Ryzenプロセッサの新製品「Ryzen 3000XTシリーズ」の日本における発売日と参考販売価格が明らかとなった。合わせて、SSDとHDDを組み合わせてハイブリッドストレージを構築するソフトウェア「StoreMI」の新バージョンも発表された。
AMDは7月14日午前11時、デスクトップPC向けの新CPU「Ryzen 3000XTシリーズ」を発売する。税別の想定販売価格は2万9200円〜5万9800円だ。
Ryzen 3000XTシリーズの概要
Ryzen 3000XTシリーズは、「Zen 2」アーキテクチャに基づく「第3世代Ryzenプロセッサ」の新モデルで、既存製品のブーストクロック(最大周波数)を引き上げた製品という位置付けだ。ラインアップと税別想定販売価格は以下の通り。
- Ryzen 5 3600XT(3.8G〜4.5GHz、6コア12スレッド):2万9200円
- Ryzen 7 3800XT(3.9G〜4.7GHz、8コア16スレッド):4万6800円
- Ryzen 9 3900XT(3.8G〜4.7GHz、12コア24スレッド):5万9800円
ブーストクロックを100〜200MHz引き上げたこと以外は、「T」の付かないベースモデルと基本仕様は同一となっている。
Ryzen 3000XTシリーズは、ベースとなる「T」の付かないモデルの上位という位置付けで、AMDは「完璧な夏のアップグレードに向けて選択肢を増やした」とする。なお「Ryzen 7 3700X」については、Tの付くモデルが用意されない
TDP(熱設計電力)は、Ryzen 5 3600XTのみ95W、その他2モデルが105Wとなる。Ryzen 5 3600XTにはAMDオリジナルのCPUクーラー「Wraith Spire」が付属するが、その他2モデルは別途CPUクーラーを用意する必要がある。
ブーストクロックの向上により、Ryzenの「苦手」分野であるシングルスレッド性能が改善する。AMDのテストによると、Ryzen 3000XTシリーズは「CINEBENCH R20」のシングルスレッドテストにおいて第9世代Coreプロセッサよりも良好な結果を残したという。
同社の資料には「クロック向上とZen 2アーキテクチャが、3000XTをシングルスレッドのチャンピオンたらしめた」という記述も見受けられる。これは、同社が社内実施したRyzen 9 3900XTにおけるCINEBENCH R20のスコアと、米国のPCレビューサイト「PCGAMER」が実施した「Core i9-10900K」レビューにおける同アプリのスコアを比較した結果のようだ。
Ryzen 3000XTシリーズは、第3世代RyzenプロセッサをサポートするUEFI(BIOS)を持つマザーボードをそのまま利用できる。
AMDの資料では、Ryzen 3000XTシリーズについて「シングルスレッドのチャンピオン」という記述も見受けられるが、これはPCGAMERにおけるCore i9-10900Kレビューで示された数値と比べた場合の結果で、AMDが自ら調べて比較したわけではないことに注意したい
SSD+HDDをハイブリッド化する「StoreMI」は“2.0”に
Ryzen 3000XTシリーズの発売日と価格の発表に合わせて、AMDはハイブリッドストレージシステム「StoreMI(ストアエムアイ)」のバージョン2.0を発表した。第3世代Ryzenプロセッサに対応する一部のチップセット向けに、7月7日(米国太平洋夏時間)から順次対応を開始する。
StoreMI 2.0は「2020年第2四半期にリリースされる予定」と予告されていた新バージョンで、主に以下の新機能を備えている。
- HDDとSSDの容量の組み合わせを自由化
- キャッシュに自分のデータをミラーして置けるように
- 自分のデータをシステムミラーとしてSSDに置いておく
- 新しいユーザーインタフェース(UI)による操作性向上
- 「読み出し専用」アルゴリズムでデータの一貫性を確保可能に
サポートするチップセットと対応予定時期(米国太平洋夏時間)は以下の通り。
- X570:7月7日
- TRX40:2020年第3四半期中(近日中)
- X550、X399、X470、B450:2020年第3四半期中(順次)
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