検索
レビュー

実売約70万円、新たな2画面PCの可能性を広げるASUS「ROG Zephyrus Duo 15」で8コアの性能を確かめるゲーミングPCの道(2/5 ページ)

2画面搭載ノートPC製品を継続的にリリースするASUSTeKから、ゲーミングのROGブランドの名を冠した「ROG Zephyrus Duo 15」(GX550LXS)が発売された。税込み価格が70万円前後という、ウルトラモンスターPCの実力を見ていこう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

メモリ容量やストレージも豪華な内容

 メモリはDDR4-3200を採用し、容量は32GBを装備する。ストレージは、PCI Express 3.0 x4(NVMe)接続の1TB SSDを2基使い、2TB RAID 0ドライブとして利用する。

 豪華な内容ではあるが、ストレージのベンチマークテストを実行してみると意外な結果となった。実はこれは予想通りではあるのだが、現行のIntelプラットフォームではイレギュラーな実装をしない限り、システムバス帯域(理論値の毎秒3.94GB)がボトルネックとなり、どんなに高速なSSDを利用してもリード/ライトともに性能は毎秒3.5GB前後で頭打ちになってしまう。

 評価機に搭載されているSamsung PM981aは単体でもリードが毎秒3.5GB、ライトが毎秒3GBと十分に高速なので、少々もったいない使い方に思える。後からストレージの交換などをしたい人にとっては、RAIDではない方がシンプルで好まれる面もある。個人的にはRAIDでなくて、1TBのドライブ2台、別々に使えた方が良いように思う。

ROG Zephyrus Duo 15
SSDは2基の1TB SSDを使ってRAID 0を構成する。評価機では、2基のSSDともにSamsungのPM981aだった
ROG Zephyrus Duo 15
CrystalDiskMark 7.0.0のスコア。PCI Express 3.0 x4の帯域がボトルネックになって全体的にPM981aの単体とあまり変わらないスコアだが、シーケンシャルライトのスコア(最上段右)は良くなっている

Thunderbolt 3、Wi-Fi 6に対応

 通信機能は、1000BASE-T対応の有線LAN、Wi-Fi 6(2.4Gbps)、Bluetooth 5.0を標準装備する。Wi-Fi 6は、帯域の理論値以上に複数のデバイスが同時に通信するような状況での実効性能で高く、ゲーミング用途でもアドバンテージだろう。

 インタフェースは、Thunderbolt 3(USB Type-C)の他、Type-AのUSB 3.1 Gen.2、2基のUSB 3.0とUSBを最大4基利用可能だ。HDMI出力端子も背面に備えている。

 先進的な内容といえるが、メモリカードスロットとWebカメラが省かれている点には注意が必要だ。

ROG Zephyrus Duo 15
ボディー前面に端子類は特にない
ROG Zephyrus Duo 15
背面に1000BASE-T対応の有線LAN、USB 3.1 Gen.2(Type-A)、HDMI(2.0b)出力の各端子がある
ROG Zephyrus Duo 15
左側面には、手前側からヘッドフォン、マイク、DC入力(ACアダプター)端子を並べる
ROG Zephyrus Duo 15
右側面は2基のUSB 3.0(Type-A)、Thunderbolt 3(USB Type-C)端子がある

スリムボディーとハイスペックを両立する冷却機構

 最高峰のハードウェアのパフォーマンスを発揮させるために、冷却機構にもこだわっている。本製品ならではの大きな特徴が「AAS+(Active Aerodynamic System Plus)」と呼ばれる機構だ。

 液晶ディスプレイを開くと、それに連動して特殊ヒンジが作動しセカンド画面がチルトする。人間工学的に基づいた13度の角度がついて見やすくなると同時に、上部の排気口が開放されて冷却効率を高める効果も備える。

 以前のモデルで導入されていた底部が開く「AAS」よりもさらにエアフローが改善されており、AAS機構を搭載しないシステムに比べて、30%もエアフローが向上しているという。

 また、CPUやGPUとヒートシンクの間には液体金属グリスを採用し熱伝導効率を高めている。さらに5本のヒートパイプ、252フィンを備えた2基の12Vファンを導入し、冷却効率を最適化。ホコリなどの堆積を防ぐための「アンチダストトンネル」も備えている。

 これにソフトウェアによるインテリジェントな制御をプラスしており、「Turbo」「Performance」「Silent」と3種類の動作モードを切り替えることで、用途に応じた最適な体験ができるようになっている。

ROG Zephyrus Duo 15
液晶ディスプレイはこの角度まで開く。液晶ディスプレイを開くと連動してセカンド画面がチルトする。チルト角度は13度で、人間工学に基づいて決定されたという。なお、セカンド画面単体での角度調整はできない
ROG Zephyrus Duo 15
チルトすることで放熱口が開放され、エアフロー効率が向上する。この機構がない状態と比較して30%のエアフロー向上効果があるという
ROG Zephyrus Duo 15
動作モードは独自ユーティリティーの「Armoury Crate」で選択できる。パフォーマンスが必要な場合はTurbo、静音に使いたいならばSilent、バランスをとりたいならPerformanceと、目的に応じて選べる

 次に、本製品ならではの2画面ディスプレイを見ていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る