パナソニックの新型タブレット「TOUGHBOOK FZ-A3A」を通してタフネスさについて考えた:変わったのはプロセッサだけではない(3/3 ページ)
パナソニックが、10.1形タフネスAndroidタブレットをモデルチェンジした。プロセッサをIntel製からQualcomm製に切り替えただけではなく、いろいろな点が変わっているので、早速レビューしてみた。
IntelプロセッサからQualcommプロセッサに その実力は?
FZ-A3AとFZ-A2との違いの中でも、一番大きなものはハードウェアプラットフォームだろう。
FZ-A2はIntelプラットフォームを採用し、プロセッサ(SoC)として「Atom x5-Z8550」(4コア4スレッド、1.44G〜2.4GHz)を搭載していた。それに対して、FZ-A3AはArmプラットフォームに移行し、プロセッサとしてQualcommの「Snapdragon 660」(1.8GHz 4コア+2.2GHz 4コア)を搭載している。
Snapdragon 660は2017年に登場したミドルレンジモデル向けのプロセッサで、今となっては“古い”印象もある。そこで、ベンチマークテストアプリでその実力を測ってみることにした。
実行したアプリは「Antutu Benchmark」「PCMark for Android Work 2.0」「3DMark Sling Shot Extreme」の4種類。比較対象としてMediaTekの「Helio P70」を搭載するAndroidスマートフォンを用意した。
なお、今回の評価で用いたFZ-A3Aの構成は以下の通りだ。
- プロセッサ:Snapdragon 660
- システムメモリ:4GB(LPDDR4)
- ストレージ:64GB(eMMC)
- ディスプレイ(解像度):10.1型液晶(1920×1200ドット)
- Wi-Fi(無線LAN):IEEE 802.11a/b/g/n/ac
- Bluetooth : バージョン5.0
- カメラ:アウト800万画素、イン500万画素
- NFC:対応
- OS:Android 9
- バッテリー容量:3200mAh×2基(標準構成)
- 本体サイズ:約272(幅)×196(奥行き)×16.4(厚さ)mm
- 重量:約892g
結果は以下の図で示した通りだが、やはり3年前のミドルレンジ向けプロセッサということもあり、Helio P70を搭載するスマホよりもスコアは低い傾向にある。ただし、グラフィックスに関連するベンチマークのスコアはFZ-A3Aが「勝利」している。
TOUGHBOOKの真価は「TOUGH」にあり
ただ、FZ-A3Aの価値は「処理能力」ではなく、ここまで紹介してきた通り「丈夫さ」にある。
状況に合わせて切り替えられるタッチパネルモードや、多種多様な周辺機器を接続できるインタフェース構成、そして交互に交換できるようにすることで長時間駆動を実現したバッテリーなど、過酷な環境でも安定稼働することを重視しているのだ。プロセッサやOSが少し古いことも、「安定した稼働を優先した結果」(パナソニック担当者)だという。
その視点でいえば、FZ-A3AはFZ-A2と比べて“全天候型”マシンとしての性能は格段に向上している。その意味は通常のモバイルマシンと異なるが、「いつでもどこでも使えるマシン」を探しているユーザーなら、FZ-A3Aは選択の候補に入れておくべき製品といえるだろう。
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