「iPhone 12 Pro Max」の特別なカメラを検証して分かった“こだわりの差”:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/5 ページ)
11月13日発売の「iPhone 12 Pro Max」をいち早く試用し、他のモデルとは異なる特別なカメラの性能をじっくり検証してみた。その結果、判明した“違い”をどう捉えるかが、12 Pro Maxを選ぶべきかのポイントになりそうだ。
やや戸惑う画質差の小ささだが、違いもある
iPhoneで最も多く使うカメラは恐らく広角カメラだろう。それだけに、iPhone 12 Pro Maxのセンサーサイズ拡大と手ブレ補正方式の違いがどの程度あるかが気になるところだが、結論からいうと大きな違いはなかった。
ややマニアックな表現だが、APS-C判センサーのカメラとライカ判センサーのカメラの違いよりも差は小さい。1インチセンサーとマイクロフォーサーズセンサーの違いと比べても、やはり差は小さい。その程度の違いだ。
しかし、それらよりも絶対的なセンサーサイズが小さいが故に、品位の違いはさほどでもないが描写の質は見て分かる程度に違う。
以下の写真は、iPhone 12 Pro Maxと12 miniが搭載する広角カメラでのポートレードモードによるショットだが、ほとんど画質に違いを感じない。
ただしExifの情報を見ると、iPhone 12 Pro MaxではISO感度を少し上げてシャッタースピードを速くしているのに対して、12 miniでは感度を低く(ISO80)抑えたままになっている。結果的な画質は大きく違わないが、この場面ではより失敗が少なくなるように、iPhoneは撮影条件を自動変更していることになる。
常にシーンごとの判断を自動で行っているため、当然ながら全く同じパラメータで撮影されることも多いのだが、センサーサイズの違いがISO感度とシャッタースピードの関係性を判断するためのマップに影響を与えている可能性はありそうだ。
しかし、最も違うと感じるのはレンズの描写だ。その差は小さいが、小さいながらもきっちりと存在している。
何のことはないカフェでのワンシーンを見ても、iPhone 12 Pro Maxの方が自然な背景のボケになっていると感じる。ボケの大きさはセンサーサイズが20%しか違わないため、大した違いではないと感じるかもしれない(それでも詳細に比較すると違うのだが)。ただ、ボケの大きさよりも、自然さの方が違いが大きいと思う。
この辺りは同じF1.6のレンズを設計する中でも、サイズの大きさがもたらす余裕なのかもしれない。
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