液タブ「Wacom One」をテレワークのモバイルディスプレイとして使って分かったこと:Web会議にも役立つ!(2/4 ページ)
在宅ワークで注目を浴びている液晶ディスプレイやモバイルディスプレイだが、ワコムの液晶ペンタブレットを使うとさらに生産性を高めることができるのではないだろうか。実機でチャレンジしてみた。
13インチMacBook Proにつなげてみた
筆者はつい最近まで、メインPCはNECパーソナルコンピューターのモバイルPC「LAVIE Pro Mobile」であった。薄くて軽くてタフなので、どこへでも持ち歩けるありがたいPCだった。
しかし、使っているうちに電源回りに不具合を抱え、今では修理対応が必要な状態になってしまった。また以前から、USB Type-CポートがDisplayPort Alternate Modeに非対応で映像データを送れないという弱点もあり、思い切って13インチMacBook Pro(以下、MacBook Pro)を導入した。
とはいえ、Apple M1プロセッサ搭載モデルではない。そう、購入直後にM1プロセッサ搭載モデルが発表されてしまったのだ。Apple Storeで買っていれば……何かの呪いだろうか(アンテナ感度が低いだけ)。
Macといえば、iPhoneやiPadシリーズとは異なり、タッチ操作は一貫してサポートしない。ディスプレイの上部に取り付けることで、なんちゃってタッチディスプレイを実現するソリューションもあったが定着には至っていない。
Windows 10ならタッチ操作可能なタブレットモードを搭載しているので、タッチディスプレイ非搭載ノートPCであっても、マルチタッチディスプレイを接続すれば、モバイルディスプレイ側でタッチ操作ができるようになる。例えば、ノートPC側で参考となる資料を表示させておいて、タッチ操作対応のモバイルディスプレイ側でペイントやIllustratorなどのお絵かきソフトを表示させておいてイラストを描く、といったことが行える。
しかし、Macではそうはいかない。タッチ操作対応のモバイルディスプレイを接続しても、拡張したデスクトップを表示したMac用の大きなトラックパッドと化してしまう。素直にiPadシリーズを用意するのが無難だろう。
下の図を見てほしいが、Wacom Oneは入力がUSB Type-Cに対応していない。PCからはHDMIとUSB Type-Aボートを使ってデータのやり取りをし、Wacom OneにはUSB Type-Cと同じ形状の端子を挿し込む。
ワコムの製品ページにPCやスマートフォンとの接続方法が記されている。これだけUSB Type-C端子搭載PCやスマートフォンが増えているのだから、そろそろもう少しスマートに接続できるようになってもらえるとありがたい
MacBookシリーズはHDMIポートもUSB Type-Aボートも持たないので、別途ハブをかませる。今回使ったのはハイパーの「HYPER DRIVE」だ。HDMIやUSB Type-C、USB Type-A、SDメモリーカード、microSDカード、3.5mmのイヤフォンジャックのポートやスロットを備える多機能ハブである。
これを介して接続するだけで、Wacom OneがサブディスプレイとしてMacBookに認識される。ただし、この状態ではペン操作ができない。Wacom Oneの性能を余すところなく使うには、別途ユーティリティーの「ワコムデスクトップセンター」の導入が必要だ。Webサイトからダウンロードして、MacBookにインストールしよう。
すると、それまでタッチ操作とは無縁だったMacBookがペン操作に対応したPCへと生まれ変わる。もちろん、指を使ったタッチ操作には対応しておらず、ペンにしか反応しないのだが、それでも感動的ではある(個人の感想です)。
モバイルディスプレイとしての使い心地だが、デフォルトの状態では多少暗い。ここはワコムデスクトップセンターで、輝度とコントラストを上げておこう。
ディスプレイが非光沢なので、輝度を上げても目に光が突き刺さるような感覚はない。また、色調がおかしい、小さな文字がつぶれて見えない、といったこともなく、使い勝手は上々だ。
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