液タブ「Wacom One」をテレワークのモバイルディスプレイとして使って分かったこと:Web会議にも役立つ!(4/4 ページ)
在宅ワークで注目を浴びている液晶ディスプレイやモバイルディスプレイだが、ワコムの液晶ペンタブレットを使うとさらに生産性を高めることができるのではないだろうか。実機でチャレンジしてみた。
モバイルディスプレイとしての可能性を探る
このWacom Oneだが、モバイル用途で活躍できるのだろうか。前で述べたように、一般的なモバイルディスプレイのようにUSB Type-Cケーブル1本で接続は行えない。電源も別途必要になる。
しばらくは、オフィシャルページにあるように付属のACアダプターを使って試用していたが、このアダプターをチェックすると、出力が5V/2Aとなっている。そして、使用中の給電量を見てみても、1.2Aいくかいかないかという電流値だ。どうやらモバイルバッテリーでも十分事足りそうである。
モバイルディスプレイをつなげると、PC本体の電力が吸い取られるかのようにバッテリー残量がぐんぐん減っていったのだが、これなら心配不要だ。Wacom Oneの動作保証外の試みとなるが、USB Power Delivery出力対応の大きめモバイルバッテリーを持ち歩く必要はなくなった。
ここでもう1つ試したのが「給電能力の高いUSB Type-Aポートを搭載しているノートPCなら、モバイルバッテリーすら不要なのでは!?」ということだ。幸い、手持ちの超小型PCにはDisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cポートの他、USB 3.0のUSB Type-Aポートがある。前述のHYPER DRIVEだけあれば、全出力をまかなえそうだ。
というわけで、8.9型の超小型PC「GPD P2 Max」とWacom Oneを持って近所のフードコートに息抜きがてら出かけてみた。
おもむろに、ガジェット類を取り出してつなげてみる。HYPER DRIVEを介して映像と入力データを、GPD P2 Max本体から電力を供給する、無事にWacom Oneがモバイルディスプレイとして起動するではないか。
Wacom OneとGPD P2 Maxの間をケーブルが行ったり来たりしているため、「永久機関っ!」と思ってしまったが、電力が確実に削られているのでそうではない。PC側のバッテリーがゴリゴリ減っていくものの、これならモバイルバッテリーすら持ち歩かずに済む
もちろん、タブレットドライバをインストールすれば、液タブとしてペンで描画できるようになる。この最小構成で、オンラインホワイトボードを便利に使える会議システムが完成してしまうのだ。
タッチ非搭載の15.6型モバイルディスプレイが2万円以下で買えることを考えると、4万円台のWacom Oneは高く感じてしまうかもしれない。しかし、必要なときには精細な書き込みが可能で、コミュニケーションもコラボレーションもはかどるツールを同時に手に入れられると考えたらどうだろう。
しかも、持ち運べて引き出しにしまえるモバイルディスプレイが手に入る(PCによっては接続が面倒になるが)のだから、意外とお得ではないだろうか。
モバイルディスプレイの購入を検討しつつ、まだ導入していないのであれば、Wacom Oneを選択肢の1つに入れてみてはどうだろうか。
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