パソコンは“優しく”使いましょう――レノボが小中学生向けに「PCの扱い方」動画を公開
レノボ・ジャパンが、小中学生向けにパソコンの使い方に関する動画を3本公開した。Chromebookを想定した内容だが、6月にはWindowsを想定した動画も公開される予定だ。
レノボ・ジャパンは5月17日から、同社のYouTubeチャンネルにおいて「PCの使い方」を解説する動画を3本公開した。「GIGAスクール構想」によって学習用端末を手にした小中学生を想定した内容で、PCの扱い方と基本的な操作方法を紹介している。
子どもは大人が想定しない「使い方」をする
レノボ・ジャパンは2020年度、GIGAスクール構想の標準仕様に準拠した学習用端末を約200万台出荷したという。万が一に備えて、故障時の修理対応能力も前年度比で1.3倍に高めたともいう。
「スマホネイティブ」という言葉もあるように、最近の小中学生はスマートフォンやインターネットといったICT(情報通信技術)に慣れ親しんでいる……と思いきや、同社によると、学習用端末を配備した学校から以下のような声が寄せられているという。
- 子どもが想定外の乱暴な使い方をして困っている
- PCの使い方を覚えさせることに時間を取られてしまう
学習用端末を巡っては、筆者も複数の学校関係者から以下のようなことを聞いたことがある。
- 画面を割る子どもが多く、交換用端末が足りなくなるかもしれない
- 「家で端末を踏みつけて壊してしまった」という申告が想像以上に多い
- 端末の端子部(USB端子など)に異物を突っ込んだせいで、学校で使う機器をつなげられない
- 食卓で使っている子どもが多いせいか、親御さんから「キーボードに水(飲み物)をこぼしてしまいました」というSOSがよく入る
- 子どもによってPC(タブレット)に対するスキルに差がありすぎて、スキルの低い(少ない)子どもに合わせると、スキルの高い(豊富な)子どもが退屈してしまう。逆に、スキルの高い子どもに合わせると、スキルの低い子どもは置いてけぼりになってしまう……
端的にいえば、子どもは大人が思っている以上に学習用端末(PC)を“雑”に扱い、端末の使い方の習熟に難儀するケースもあるということだ。
パソコンのあつかいかたに出てくる「パソコンは投げない」というひと幕。スマホと同じ感覚で学習用端末を放り投げてしまい、画面が割れたりボディーが破損したりすることは実際にある(スマホも投げてはいけないのだが……)
どんな動画がある?
今回、レノボ・ジャパンが公開した動画は「パソコンのあつかいかた」「パソコンのかくぶのなまえ」「パソコンのきほんそうさ」の3本となる。「かくぶのなまえ」と「きほんそうさ」は、学校でのシェアが高いとされるChromebook(同社の「Lenovo 300e Chromebook」)を前提とした内容となっているが、6月中旬にWindows 10 Proを想定した動画も公開される予定だ。
パソコンのあつかいかた
「パソコンのあつかいかた」は、「たたかない」「ふまない」「落とさない」「投げない」「水をこぼさない」といった基本的な事項から入り、PCの持ち運び方やケーブルの抜き差し方法を解説していく、という構成となっている。
「こんなことから紹介しないといけないの……?」と思うかもしれないが、実際にあった事例を参考に作られたということを念頭に置いて見てほしい。
パソコンのかくぶのなまえ
「パソコンのかくぶのなまえ」は、同社のLenovo 300e Chromebookを例として、PCを扱う上で最低限知っておくべき部位の名称を紹介した後、Chromebookの起動/シャットダウンやスリープからの復帰方法を解説する構成となっている。
パソコンのきほんそうさ
「パソコンのきほんそうさ」は、Lenovo 300e Chromebookを例として、Chrome OSとカメラアプリの使い方、写真を撮った後に手書きの文字を描き入れる方法と、編集した画像(写真)を保存する方法を紹介している。
「スマホに慣れていれば何とか操作できるのでは?」と思うかもしれないが、アイコンの意味がある程度分かっていないと操作できないこともある。また、文字で表示されるボタンは、漢字が読めなくてまごつくということもある。
特に小学校低学年の児童を想定する場合は、このような説明も“必要”なはずだ。
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