新型「Fire HD 10」の専用キーボードはどこまで使える? 人気のChromebook「IdeaPad Duet」と比べてみた(4/4 ページ)
Amazonの10.1型タブレット「Fire HD 10」と「Fire HD 10 Plus」用に、専用のBluetoothキーボードが用意された。このキーボード自体の使い心地と、似たタイプのレノボ製Chromebookとの比較を行った。
Chromebookキラーになるために必要なこととは
以上のように、Fireと一体化して運用でき、保護機能も備えたケースとしては一通りの要件は満たしているが、キーボード自体の実用性はお世辞にも高くないというのが、今回試した上での率直な感想だ。
こうした使い勝手に難があって高速入力が難しいキーボードは、かつてならば「メールなどの短文を打つなら支障はない」という表現が使えたのだが、今やメールはスマホで打てる時代なので、キーボードの利用価値は長文入力にあると考えてよい。そうした意味では、本製品がフィットするシーンは、筆者には思いつかないというのが正直なところだ。
その原因は、やはり使い勝手を考慮していないキー配列にあるだろう。例えばChromebookであれば、ここ1〜2年は国内で販売されているモデルは日本語JIS配列が主流になりつつあるし、iPad用のキーボードについても、以前はUS配列ばかりだったロジクールが、2021年からとうとう日本語JIS配列を取り扱うようになったほどだ。
今回のFire用のキーボードは、配列そのものに難がある上、それらをカバーできるほど、ソフトウェアの設定が柔軟というわけではない。日本語入力をするためのキーボードとしては、2週ほど周回遅れの印象だ。
もっとも、Fireで外付けのキーボードがきちんと動作することはなかなか新鮮ではある。組み合わせるキーボードとして本製品をチョイスするかはともかく、テキスト入力デバイスとしての運用自体は、将来性を感じさせる。今後、さまざまな方向で改善が進んでいけば、日本でもChromebookキラーとなる可能性はありそうだ。
試しにWindows/Android向けのBluetoothキーボード(ThinkPad トラックポイント キーボード II)を接続したところ、トラックポイントも含めて問題なく動作した。こちらであればEscキーもきちんと動作するので、やはりハードウェアの問題が大きいと言えそうだ
関連記事
- メモリ倍増の新型タブレット「Fire HD 10 Plus」を画面付きスマートスピーカーとして使ってみた
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。新型の「Fire HD 10」をShowモードで使ってみた。 - 今なら1万9000円切りでOfficeと専用キーボードが付属! 「Fire HD 10 エッセンシャルセット」の破壊力にしびれる
コスパ良好のAmazon製タブレットの新型「Fire HD 10」に、「エッセンシャルセット」が登場した。非常にお得なセットだが、実際に試して想像以上の破壊力があることが分かった。 - 「Fire HD 10エッセンシャルセット」でビデオ会議を試す
コスパ良好のAmazon製タブレットの新型「Fire HD 10」に、Bluetooth接続キーボードとMicrosoft 365 Personalが付属した「エッセンシャルセット」が登場した。早速、ビデオ会議で活用してみた。 - トラックパッドを搭載したロジクール「FOLIO TOUCH iK1094BKA」は純正品と何が違う?
第4世代iPad Air用のカバー兼キーボードにトラックパッド付きモデルが登場した。Apple純正キーボードとどのような違いがあるのか、試してみた。 - いろいろなデバイスでThinkPadの快適タイプを実現! 「ThinkPad トラックポイント キーボード II」に感激した
ThinkPadのキーボードユニットを切り出した外付けキーボードが、約7年ぶりにモデルチェンジした。発売に先立って、その打ちごこちを試してみたのでここに報告する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.