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「M1 Pro」「M1 Max」は結局どこが違って何が進化したのか 極めて合理的なAppleの選択本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

MacBook Proのモデルチェンジとともに登場したAppleの新チップ「M1 Pro」「M1 Max」。飛躍的に性能が向上したというが、その内部構造から秘密に迫る。

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極めて合理的な設計で進化したM1 Pro・Maxだが、次の一手は?

 冷静にM1 ProとM1 Maxを評価すると、いずれもプロのクリエイターが求めるニーズに対して必要な要素を用意し、それぞれの処理回路が健全に効率よく動作する極めて合理的な設計が行われていることがみえてきた。

 しかし、その目的はメディア処理の最適化で、とりわけ音楽や映像の制作など広帯域のデータ処理が必要なアプリが想定されている。そう考えた上で振り返ると、ベースとなるM1の素性のよさもあらためて再認識できるのではないだろうか。

 繰り返しになるが、Appleのコンセプトにブレはなく、M1 ProとM1 Maxでは実にシンプルにシステムを拡張している。しかしあまりにストレートに、合理的な進化を果たしているため、MacラインアップにおけるApple独自設計チップへの移行が完了するという来年末に向け、どのようなアップデートができるのかいよいよ見えにくくなってきた。

 なお、AppleはM1 ProとM1 Maxを台湾の半導体製造ファウンドリであるTSMCで製造しているが、5nmプロセスであることだけを明らかにしており、M1と同じN5プロセスなのか、省電力化が進められたN5Pプロセスなのかは明らかにしていない。

 ただ、来年には3nmプロセスの製品が出荷される見込みだ。Mac向けSoCで採用されるかどうかは未知数だが、まだ登場していないプロクリエイター向け高性能デスクトップのプロセッサでもSoC+共有メモリ路線を継続するのかどうか。

 ここまで来たらシングルチップでMac Pro後継プロセッサまでをスケールさせそうな気もするが、その後、半導体の微細化に行き詰まりが予想されていることから、何らかの拡張性を備える形になるならば、現在のコンセプトとの連続性をどう取っていくのか。

 製品軸とは別ではあるが、最終的なパーソナルコンピュータの用途や商品コンセプトともセットで開発されているチップだけに、水平分業が進んだPC世界とは異なるという意味で今後も興味深い存在になっていくだろう。

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