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20年目の新モデル「REALFORCE R3」で変わったこと 変わらなかったこと(5/5 ページ)

高級キーボードシリーズでおなじみの東プレから、「REALFORCE」の第3世代となる「REALFORCE R3」シリーズが計20モデル発表された。11月1日の発売に先駆けて、待望の無線接続対応モデルを中心に試した。

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英語配列モデルは見送られたが宗旨替えしたくなるほど利便性がアップ

 本稿ではタイピングの感触にはほとんど触れなかったが、これはR2からの感触の違いよりもキー荷重、APCの設定、キースペーサーの厚みによるタイプ感への影響が圧倒的に大きく、逆に同じ設定であればR2からの違和感も少ないためだ。

 それゆえ、タイプ感を構成する大部分はユーザー自身が選択できる。そうした観点からはキースペーサーの別売はなかなか厳しい。キースペーサーは2mm/3mmのセットで2090円、単体で1540円となっている。R2ユーザーであれば既に自分のセッティングが出来上がっているので、必要に応じて単体キースペーサーを購入すればよいが、R3からのREALFORCEユーザーだと追加投資をした上で試行錯誤しなくてはならない。

 店頭で両方のセッティングを試すことができればよいが、R3は直販(REALFORCE Store/Amazon/楽天市場)のみとなったのでそれもかなわない。結果として、2mm/3mmのセットを選ばざるを得ないだろう。その結果、自分にキースペーサーは不要、という判断になることすらある。

REALFORCE R3
R3ではキースペーサーが別売になった
REALFORCE R3
キースペーサーを取り付けるには、主要キーを取り外す必要がある

 とはいえ、個人的には浅めのAPC設定と、キーストロークを浅くしてくれるキースペーサーはセットだと感じている。さらに、テレワークの普及に伴ってリモート会議が一般的になった現在では、自宅での使用であっても、マイクにタイプ音が入りにくい静音キーボードを求める声も多い。

 実際、今回のラインアップでも明らかに「静音/45g荷重」が主力だ。そう考えると、深押しを防ぐだけでなく、静音性も高めてくれるキースペーサーも欲しくなる。今回のキースペーサー別売は不要なユーザーへの配慮というよりは、3万5000円を切る価格に抑えるためかもしれない。

REALFORCE R2
REALFORCE R2の英語配列モデル(REALFORCE SA/R2SA-US4-IV/PFU Limited Edition)

 それから、今回のシリーズには英語配列モデルが全くなく、R2シリーズの継続販売(R2シリーズの日本語配列は2021年10月29日で生産終了)となる。これは筆者を含め一部の人には非常に重要な点だ。もっとも、現在のラインアップはR3発売時のものであり、R2のときのように今後拡充されていく可能性もないわけではない。

 だが、その期待が揺らぐ原因となっているのが型番ルールの変更だ。R2のときはR2を共通プレフィックスとして、フルキーボード/テンキーレス、静音/標準、APC対応/非対応を表す第1グループ、配列、キー荷重を表す第2グループ、色を表す第3グループをハイフンでつないでいた。

 それに対し、R3の型番はR3を共通プレフィックスとして1文字目がハイブリッド/USB専用タイプを表すH/U、2文字目にフルキーボード/テンキーレスを表すA/Cが続く。その後に2桁の数字があるが、一の位はキー荷重を表している(1=45g、2=変荷重、3=30g)。残る十の位だが、これには静音/標準と色の2つの意味が含まれている(1=静音/ブラック、2=静音/スーパーホワイト、3=標準/ブラック、4=標準/スーパーホワイト)。例えば、ハイブリッド/フルキーボード/ブラック/45g荷重はR3HA11となる。型番にハイフンは含まれない。

 メーカーの確認をとったわけではないが、属性を現す略号を用いて型番を付けていたR2に比べるとバリエーションを抑えようという意図を感じる。ハイフンを含まない型番は固定長にしたくなるもの、と勝手に想像してしまうのだが、そうすると今の型番ルールに英語/日本語配列など、他の要素を含める余裕がない。含めるとしたら最後の2桁の数字だが、あまり美しいルールとはなり得なさそうに思える。


 筆者は初代Realforce101を愛用していたものの、Windowsキーの必要に迫られてRealfoce 104UWに買い換えた、20年来の英語配列REALFORCEユーザーだ。けれども、もし、英語配列のREALFORCE R3が出ないのだとしたら――R3のキータッチやカスタマイズ性、ハイブリッドモデルの利便性を知ってしまった今、真剣に日本語配列への宗旨替えを考えているところだ。

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