「Adobe Creative Cloud Web」の招待制βがスタート Webブラウザ版「Photoshop」「Illustrator」も登場:コンテンツ制作のデータ共有を円滑に
Adobeがイベント「Adobe MAX 2021」に合わせて新サービス「Adobe Creative Cloud Web」の招待制βを開始した。クラウドを介してコンテンツ制作のコラボレーションを円滑化することを目的としており、一般ユーザーには2022年から順次正式なサービスとしてリリースしていく予定だ。
Adobeは10月26日(日本時間)、コンテンツ制作用コラボレーションツール「Adobe Creative Cloud Web」をプライベートβ(招待制βプログラム)として提供することを発表した。合わせて、サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」を構成するアプリのうち「Photoshop」と「Illustrator」のWeb版をβプログラムとして提供することも発表した。
なお、今回発表された各種サービスは「Google Chrome」または「Microsoft Edge(Chromium Edge)」において動作する。
Adobe Creative Cloud Webの概要
Adobe Creative Cloud Webは、クラウドを介してクリエイター同士がコラボレーションする「協調型クリエイティビティ」を実現するための「ハブ(中核)」となるサービスだ。クラウド上でリアルタイムにコンテンツの企画から制作までの一連のプロセスを進めて、完結できるようにすることを目指しているという。今回は2つのサービス「Space(スペース)」と「Canvas(カンバス)」の開発が発表された。
発表された2つのサービスはプライベートβからスタートし、参加者からのフィードバックを通してブラッシュアップを進めていく。Adobe CCの一般契約者に対するサービスは、2022年から順次提供する予定だ。
Adobe Creative Cloud Space
Spaceは、プロジェクトに関連する全ての素材や資料を1カ所に集めて管理できるデジタルスペースだ。コンテンツ制作の過程で集積された情報や成果物を一括管理することで、プロジェクト参加者の情報共有や意識共有、情報管理をしやすくする効果を狙っている。
このサービスはWebブラウザの他、以下のアプリからも直接アクセスできるようになる予定だ。
- Adobe Fresco
- Illustrator
- Photoshop
- Adobe XD
Adobe Creative Cloud Spaceの利用イメージ。プロジェクトに関連する情報を1カ所に集めることでクラウドを介したクリエイター同士のコラボレーションを円滑に進められるようにするという
Adobe Creative Cloud Canvas
Canvasは、Webブラウザ上でクリエイティブワーク(制作物)のレイアウト、ビジュアライゼーションやレビューを行える「共有ステージ」機能だ。特別なアプリを必要としないので、どこでもプロジェクトの全体像を把握し、コラボレーションしやすくなるという。
Adobe CCを構成するアプリで作成したクラウドドキュメントを扱うことも可能で、いつでもオリジナル(ソース)ファイルにアクセスして編集を始めることも可能だ。
Photoshop Web版
PhotoshopのWeb版は、Webブラウザ上でPhotoshopドキュメント(クラウド対応のPSDファイル)を閲覧、共有、レビューと簡単な編集を行えるサービスだ。当初は、誰でも参加できる「パブリックβ」として提供される。
Web版で利用するPhotoshopドキュメントをアップロードするユーザーは、Photoshopアプリを利用できるAdobe CCプランの契約が必須となる。一方で、ドキュメントの共有先(コラボレーション相手)はAdobe CCプランを契約していなくてもファイルの閲覧やレビューを行えるため、プロジェクトの進行過程で「どうやって制作物を見せようか……」という悩みから解放される。
Web版で簡単な編集を行う場合は、何らかのAdobe CCプランの契約が必要となる。
Illustrator Web版
IllustratorのWeb版は、WebブラウザでIllustratorドキュメント(クラウド対応のaiファイル)の閲覧、共有、レビューと簡単な編集を行えるサービスだ。当初はCreative Cloud Webと同様にプライベートβとして提供される。
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