Microsoftが学校向けOS「Windows 11 SE」を発表 プリインストールPCは2021年後半から順次受注開始
Microsoftが、Windows 11の新エディションとして「Windows 11 SE」をリリースした。学校(主に小学校と中学校)で利用されるPCで利用することを想定しており、必要なアプリを管理者がリモートでプロビジョニング(書き込み)できるようにしていることが特徴だ。Chromebookを意識してか、オフラインでできることの多さもアピールしている。
Microsoftは11月9日(米国太平洋時間)、学校向けOS「Windows 11 SE」を発表した。同OSを搭載するPCは、同社およびパートナー企業を通して同日から順次発表される予定で、特に2021年末から2022年初頭にかけて多く登場するという。
Windows 11 SEの概要
Windows 11 SEは、10月5日にリリースされた「Windows 11」をベースに、教育機関で使われる低価格PCに最適化したものとなる。とりわけ、K-8スクール(日本でいう小学校と中学校に相当)で使われることを想定して開発されたという。Microsoftが用意したよくある質問(PDF形式、英語)によると、「SE」は単純に既存のエディション(Windows 11 Home、Windows 11 Proなど)と区別するために付けたもので、「Student Editon」あるいは「School Edition」の略を意図したものではないという。
このエディションはクラウドベースの管理機能がプリセットされており、授業や家庭学習で使うアプリは「Intune for Education」を利用してプロビジョニング(書き込み)する形態を取っている。そのため、学校側が必要と判断すれば「Microsoft Office」「Microsoft Edge」「Microsoft Teams」といったMicrosoft純正アプリだけでなく、「Google Chrome」「Zoom」といったサードパーティー製アプリも一部利用できるようになっている(※1)。
一方で、クライアント(PC)側の操作でアプリのインストール/削除はできないようになっている。そのこともあり、このエディションは「Microsoft Store」にも対応しない。クライアント側でもアプリをインストールさせたい場合、あるいはMicrosoft Storeアプリを利用したい場合は「Windows 11 Pro Education」の利用が推奨される。
(※1)インストール可能なアプリは「コンテンツフィルタリングアプリ」「テスト(試験)用ソリューション」「アクセシビリティ」「授業などで必要なコミュニケーションアプリ」「必要最低限の診断/管理等を行うアプリ」「ブラウザ」となる
学習用端末でシェアの高い「Chrome OS(Chromebook)」を意識してか、Windows 11 SEはオフラインでも作業できることが多いことをアピールしている。「Microsoft 365 for Education」で提供されるOfficeアプリはオフラインでも動作する上、Windows 11 SEに統合されたクラウドストレージ「OneDrive」はオフラインでもファイルの保存/更新に対応しており、学校でネットワークにつなぐと自動的に同期できる。
日本に限らず、世界中で自宅にネット環境のない家庭は多い。「オフラインに強いWindows」をアピールすることで、Microsoftは教育機関におけるWindowsのシェア向上に取り組む。
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