シリアルポート付きの“ワークマン”PC「One-Netbook A1 Pro」はどこまで“普通”に使えるか(3/4 ページ)
人気の高い超小型PCの中で、シリアルポートを標準で備えた異色の存在である「One-Netbook A1 Pro」をチェックした。
ベンチマークテストで性能と発熱や温度をチェック
ここでは、Core i7-1160G7を搭載した評価機の処理能力を確認するために、ベンチマークテストのCINEBENCH R23、PCMark 10、3DMark、CrystalDiskMark 8.0.4、そしてファイナルファンタジー XIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークを実施した。
また、使用中におけるボディー表面の温度を、3DMarkのNightRaidを実施しながらホームポジションとして指を置く機会が多い「F」キーと「J」キーのキートップ、両手親指が触れている機会が多い本体前面縁(具体的にはWindowsキーの下側とバックスラッシュキーの下側)、底面を非接触タイプの赤外線温度計で計測した。同時に、騒音計でファンの風切り音圧をそれぞれ測定している。
なお、本製品はファンコンロトール設定で常に全力でファンを回し続けるモード(ここでは全力回転モードと呼ぶ)と、負荷と温度に応じてファンの回転数と回転タイミングを切り替えるモード(ここでは抑制回転モードと呼ぶ)を用意している。それぞれのモードでファンの騒音と表面温度、そして、処理能力に変化があるのかについても確認してみた。
ファン回転モード | 全力回転 | 抑制回転 |
---|---|---|
PCMark 10 | 4073 | 3716 |
PCMark 10 Essentials | 8727 | 8747 |
PCMark 10 Productivity | 6086 | 4588 |
PCMark 10 Digital Content Creation | 3453 | 3472 |
CINEBENCH R23 CPU | 2596 | 2533 |
CINEBENCH R23 CPU Single | 1176 | 1155 |
3DMark NightRaid | 8845 | 8324 |
ファイナルファンタジー XIV:漆黒のヴィランズ | 2176 | 205 |
CrystalDiskMark 8.0.4 x64 | ||
---|---|---|
ファン回転モード | 全力回転 | 抑制回転 |
SEQ1MQ8T1 Read | 1743.91 | 1744.86 |
SEQ1MQ8T1 Write | 1192.97 | 1193.33 |
ベンチマークテストのスコアにおいて、PCMark 10のProductivityとCINEBENCH R23、3DMarkのNightRaid、ファイナルファンタジー XIV:漆黒のヴィランズで全力回転モードが抑制回転モードの値を上回った。ただし、ストレージの転送能力を測定するCrystalDiskMarkはファンの回転モードの影響を受けていない。
なお、SSDはPCI Express接続ではあるものの使用レーンがPCI Express x2にとどまっているため、PCI Express x4対応のSSDと比べてスコアの値は低くなっている。
ボディーの発熱と騒音 | ||
---|---|---|
ファン回転モード | 全力回転 | 抑制回転 |
発生音量 | 51.8dBA | 48.2dBA |
表面温度(Fキートップ) | 30.1度 | 33.5度 |
表面温度(Jキートップ) | 29.4度 | 32.1度 |
表面温度(Windowsキー下側) | 30.1度 | 32.6度 |
表面温度(バックスラッシュキー下側) | 23.4度 | 28.0度 |
表面温度(底面) | 38.2度 | 45.1度 |
発生音量においては、全力回転モードにおいて50dBAを上回る“騒音”に達している。抑制回転モードも数値上は全力回転モードを下回っているが、騒音という意味ではそれほど違いはない。抑制回転モードでは回転数が可変になるため、状況によっては動作途中でファンの風切り音が大きくなり、それがかえってファンのうるささを意識させてしまう局面もあった。
一方で、表面温度はほとんどの測定箇所で40度を下回り、熱さが不快と感じるようなことはなかった。唯一、抑制回転モードで底面が45度まで達していたが、それもごく一部のピンポイント的な状況で、ほとんどの場所では40度を下回っている。
全力回転モードと抑制回転モードでの表面温度は大きな違いではないものの、抑制回転モードにおいて明らかに低くなる傾向が確認できた。
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