究極のスリムさ? アスペクト比35:10! 縦横どちら向きにも設置できる14型の細長ディスプレイを試す:モバイルディスプレイの道(1/4 ページ)
アイティプロテックの「14.0型バータイプ液晶モニター Screen Plus」(LCD14HCR-IPSW)は、独特の解像度を備え、さまざまな利用方法が提案できる極めてユニークな製品だ。実機を細かく見ていこう。
アイティプロテックの14型のモバイルディスプレイ「LCD14HCR-IPSW」は、アスペクト比が35:10と、一般的な16:9比率のモバイルディスプレイを横に2台並べたかのような細長い画面が特徴だ。同社では「バータイプモニター」と呼称している。
最近は、SNSなどの表示に適した細長いサブディスプレイが、マニアの間で注目を集めている。話題の発端となったのは秋葉原ラジオデパートの専門店「Shigezone」(シゲゾーン)が2020年暮れに発売した通称「ツイ廃御用達液晶」で、その後複数社が似たコンセプトの製品を発売し、現在に至っている。
プライマリーディスプレイの隣に並べれば、普段の作業領域を侵食することなく、SNS専用の表示スペースを確保できるこれら製品だが、その多くは車のルームミラー向けの液晶パネルを流用したとみられるものばかりで、サイズは8型前後、全長は20cmあるかないかだった。
ここで紹介するLCD14HCR-IPSWは、14型というサイズからも分かるように、全長が約36.5cm、幅で言うとテンキーレスのキーボードとほぼ同等だ。もちろん立てて設置することもできるが、キーボードとディスプレイの隙間に配置し、さまざまなウィジェットを配置するのにも適している。
今回はメーカーから実機を借用したので、その使い勝手について紹介しよう。
16:9を横に2画面並べたよりもさらに横長
まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは14型、解像度は3840x1100ピクセル、アスペクト比で言うと35:10ということで、ほぼ4:1、現行のディスプレイではポピュラーな16:9の液晶を2枚連結させた比率と考えればおおむね正しい。視野角は上下/左右160度、IPS方式の液晶を採用している。画面は光沢仕様とされているが、実際には外光はほぼ反射しない。
輝度は255ニト、コントラスト比は900:1、リフレッシュレートは60Hzで、応答速度は公表されていない。タッチ操作には非対応だ。スピーカー(2W×2)を2基内蔵する他、イヤフォンジャックも用意されるなど、音声出力系も充実している。
スタンドは、折りたたみ式のクイックスタンドと、デスクトップ用のスタンドの2種類が付属する。前者はモバイルユースなど一時的な設置のためのもので、デスクとの隙間がほぼゼロで設置でき、折りたためるのも利点だ。
ただし両面テープで固定する仕組みゆえあまり頑丈でない上に、ヒンジが緩く角度が変わりやすいなど、安定性はあまりない。製品ページにも「平置き設置に対応」とあるように、縦置きには使えない。これは本製品の全長が40cm弱もあり、縦置きだと荷重に耐えられないためだ。
もう1つのデスクトップ用スタンドは、シューを使って取り付ける本格的な据え置きタイプだ。カメラ用に設計されたものを流用しているとみられ、安定性は申し分なく、角度の変更も自由度が高い。また縦置き横置きもスムーズに組み替えられる。
一方でディスプレイ本体よりも幅が広く、ノートPCの側面にぴったり寄せられないなど、かさばるのがややネックだ。また、高さを調整できないという問題もある。もう1つの取り付け方であるVESAマウントも含めて、後ほどじっくり見ていく。
次に、ノートPCとの接続を見ていこう。
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