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Edgeブラウザの最新機能とIE11のサポート終了Windowsフロントライン(1/2 ページ)

今回は、Edgeブラウザに実装された最新機能と、2022年6月15日でサポート終了を向かえるInternet Explorer 11について、直近の動向をまとめた。

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 今回は、ブラウザに関する話題を2点見ていこう。

 先日、PayPay銀行が「Microsoft Internet Explorer 11.0およびFirefoxのサポート終了について」という告知を行ったが、IE11のサポート終了が2022年6月15日となることはMicrosoftによって既に告知済みなので「まぁ、そうだよね」となるのだが、ついでに発表されたFirefoxのサポート終了が発表同月の3月25日と、「IE11よりFirefoxが早くサポート終了するのウケる」みたいな扱いでネット界隈が盛り上がった記憶がある。

 ちなみに、筆者のメインブラウザはFirefoxなのだが、「どうして……」とPayPay銀行に電話で問い合わせたりすることは別になかった。

PayPay銀行のブラウザサポート終了告知
PayPay銀行のブラウザサポート終了告知

 Firefoxがサポートから外された理由だが、ほぼ確実に「アクセスシェアが低い」ということに尽きるだろう。

 StatCounterによる世界のブラウザシェアを見ると、Chromeが70%近いシェアで圧倒的地位にある一方で、EdgeとSafariがそれぞれ10%程度、Firefoxが7.57%のシェア、そして我が道を行くOperaといった具合だ。

 「ひょっとして日本のFirefoxユーザーはもっと低い?」と思い、やはりStatCounterで日本国内のシェアを調べたところ、5.82%で世界水準とそれほど差がなかった。おそらく、PayPay銀行のユーザーでFirefoxを使ってアクセスする人数がこれよりさらに少なく、サポートを外しても特に不具合があるわけではないと判断した可能性がある。

 Windows標準のEdgeに加え、実質的にタブレットやスマートフォンからのアクセスを考慮するとChromeとSafariは外せないため、代替の利くFirefoxは優先度が低いという理由もあるだろう。かくして、こうしたWebアプリケーションサポートは「3大ブラウザとそれ以外」という形で今後も区別されていくことになるのだと思う。

世界のデスクトップ向けWebブラウザの市場シェア
世界のデスクトップ向けWebブラウザの市場シェア(出典:StatCounter)

EdgeへのVPN機能実装が話題に

 ここ最近このWebブラウザかいわいで盛り上がっている話題に「EdgeでのVPNサポート」がある。正式なサービス名は「Microsoft Edge Secure Network」というようだが、Microsoftのサポート文書でその存在を確認できる。

 説明書きでは「Preview Feature」となっているものの、現時点で実際にこのサービスを試せている報告はない。XDA Developersでは「将来的にEdgeのCanaryまたはDevチャネルを利用しているユーザーが先行して試せるようになる可能性がある」と推測している。

Microsoft Edge Secure Networkの機能紹介ページ
「Microsoft Edge Secure Network」の機能紹介ページ

 機能的にはCDNサービスを提供するCloudflareのネットワークを利用したVPNとなる。「Powered by Cloudflare」のロゴが入っており、プライバシーに配慮した上でネットワーク上の診断とサポートデータを収集、25時間ごとに消去を繰り返す。基本的に無料サービスの扱いとなっており、1GBを上限にサービスを利用可能だ。1GBを超えると、次の月のサイクルまで同機能は利用できなくなる。この容量管理のため、Microsoftアカウント(MSA)によるサインインが必須となる。

 機能の呼び出し方は、Edgeの設定メニューを開くと「Secure Network」という項目があるので、これを選択した時点で機能が有効化される。もしMSAにサインインしていない場合、このタイミングでサインインまたは新規アカウントの作成ダイアログが表示される。機能が有効な間はブラウザにシールド状のアイコンが表示され、ブラウザを終了するまで有効となる。再起動時には無効化されるので、再度有効にする必要がある。

設定メニューの「Secure Network」で機能
設定メニューの「Secure Network」で機能を有効化する

ブラウザのシールドアイコンをクリックすると、稼働中のステータスや現在の使用量が表示される

 VPN稼働中はCloudflareのサーバまでの区間がトンネリングプロトコルで保護されるため、例えばWi-Fiホットスポットや信頼度が不明のISPに接続する場合の安全性が向上する。

 また副次的メリットとして出口となるIPアドレスがアクセス元となるので、特定のエリアからではアクセス制限で利用できないサービスであったり、あるいは地域ごとに限定されたコンテンツにアクセスできたりと、国や地域ごとに設定された制限を突破できる。

 ただ、1GBという容量からも分かるように、恒常的に使うには容量が少なすぎる上に、現時点で容量追加のオプションが提示されていないため、「お試し」に近い機能だと考えておいた方がいいだろう。

 おそらく、Microsoftとしても容量の追加購入などヘビーユースは全く考えておらず、あくまで分析に使うデータの提供と引き換えにCloudflareから「1GBの無料アクセス権」をユーザーごとに提供しているに過ぎないと思われる。もし本格的なVPNを使いたいと思うなら「別の有償サービスを購入するように」ということなのだと考える。

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