Armアプリの開発を促進――米Microsoftが開発者向け小型PC「Project Volterra」を発表 2022年内に発売予定
Arm版Windows向けのアプリ開発を促進すべく、MicrosoftがSnapdragon搭載の小型デスクトップPCの開発を表明した。詳細は後日発表のようだが、2022年内の発売を予定しているという。
Microsoftは5月24日(米国太平洋夏時間)、開発者向けイベント「Microsoft Build 2022」の基調講演において、Arm版Windowsのアプリ開発を支援する開発者向け小型PC「Project Volterra」を発表した。2022年内にリリースされる予定だ。
Project Volterraは、SoC(System-on-a-Chip)としてQualcommの「Snapdragon」(詳細不明)を搭載しており、AIコンピューティング向けのNPU(Neural Processing Unit)も備えている。Mac miniのような小型PCで、複数台を積み重ねて利用できるスタッカブルデザインとなっている。
詳細な仕様については明かされていないが、公開された動画を見ると、背面にUSBポート、有線LANポートやDisplayPort出力端子、側面にUSB Type-Cポートを備えているようだ。
Armプロセッサへの最適化をより進める
Project Volterraの発表と同時に、Microsoftは開発ツール「Visual Studio 2022」のArm版を発表した。SoCを供給するQualcommも、Snapdragon内のNPUを活用するための「Qualcomm Neural Processing SDK for Windows」を発表している。
公式ブログの中で、Microsoftのパノス・パネイCPO(最高製品責任者)は「(これらのツールを用いて)クラウドネイティブのAIアプリケーションを構築してほしい」とコメントしている。
関連記事
- 無料VPNサービス「Microsoft Edge Secure Network」発表 Canaryチャネルでテストを開始
米Microsoftが、無償のVPNサービス「Microsoft Edge Secure Network」を正式に発表した。まずは小規模なユーザーを対象に、プレビュー版として提供される。 - 「MicrosoftとQualcommの独占契約が間もなく終了」報道を考える
2017年12月に発表された「Windows on Snapdragon」デバイス以降、MicrosoftとQualcommのつかず離れずの関係に変化の兆しが見られる。 - 「Microsoft Teams」がMicrosoft Storeで提供開始 Windows 11は組織向けアカウントが必要
米Microsoftのコラボレーションツール「Microsoft Teams」が、Microsoft Storeで公開された。Windows 11用とWindows 10用が用意される。 - Windows+Snapdragonが飛び立つ日
Qualcommが「Snapdragon Tech Summit 2019」を開催した。そこで明らかにされた新SoCによって、Windows on Snapdragonはどのように羽ばたいていくのだろうか。 - Arm版Windowsがパワフルに動く「Snapdragon 8cx」で「Windows on Snapdragon」は離陸するか
12月にハワイで開催された米Qualcommの「Snapdragon Tech Summit 2018」において登場したのが、PC向けSoCの最新版「Snapdragon 8cx」だ。この情報を含め、Windows+Armのエコシステムに関する最新情報をお届けする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.