Windows DefenderがIntel製CPUのパフォーマンスを低下させる可能性
TechPowerUpが、Intelの第8/9/10/11世代Coreプロセッサ搭載PCにおいて、Windows Defenderのウイルス対策が原因で性能が低下すると指摘。回避策や対策ツールも公開している。
「GPU-Z」などのユーティリティーで知られるTechPowerUpが6月28日(現地時間)、Windows標準のウイルス対策ツール「Windows Defender」が原因で、Intel製CPUのパフォーマンスが低下する可能性があると報じている。
発見したのは、「ThrottleStop」や「RealTemp」などの人気ユーティリティーの開発者であるUncle WebbことKevin Glynn氏だ。 この不具合により、オールコア5.0GHzで動作するCore i9-10850Kの場合、ベンチマークツール「CINEBENCH R23」のスコアが1000ポイント(全体の6%に相当)低下するとしている。
影響を受けるのは第8〜11世代のIntel Coreで、AMDプロセッサは影響を受けないという。
パフォーマンス低下の原因は、Windows Defenderのハードウェアパフォーマンスカウンターの使い方にある。Intel Coreには7つのハードウェアパフォーマンスカウンターがあり、それぞれのカウンターに動作の優先度を決める特権レベルを設定できる。
このハードウェアパフォーマンスカウンターは共有リソースであり、通常のユーティリティーは「モード3」または「全リング・レベル」で利用している。これに対して、Windows Defenderはより優先度が高い「モード2」で全てのカウンターをランダムに利用するため、カウンターを占有してパフォーマンスが低下するとのことだ。
Windows Defenderのリアルタイム監視を停止すれば、この不具合は解消されるがセキュリティ的に推奨はできない。もう1つの方法として、ThrottleStopの最新バージョンとなる9.5を利用することが挙げられている。このソフトにはオプションメニューに「Windows Defender Boost」という項目があり、今回の不具合を回避できるとしている。
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