「OMEN 45L」の強力な“独立”冷却機構、効果はいかに? 最新ゲーミングタワーPCを試す(3/4 ページ)
日本HPが2月24日に発売したゲーミングタワーPC「OMEN 45L」は、水冷用のラジエーターをボディーの“外”に出す斬新な設計で注目を集めた。ただ、斬新な見た目に気を取られがちだが、実際のスペックもモンスター級である。同時に発表された27型4Kディスプレイ「OMEN 27u」と組み合わせて実力をチェックしてみよう。
OMEN 45Lの“実力”をチェック!
ここからは、OMEN 45L(エクストリームモデル)の実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。今回は、以下のスペックを備える最新のゲーミングノートPCを比較対象として用意した。
- CPU:Core i9-12900HK(Pコア6基12スレッド+Eコア8基8スレッド)
- GPU:GeForce RTX 3080 Ti Laptop(グラフィックスメモリは16GB)
- メインメモリ:32GB(16GB×2、DDR5-4800 SO-DIMM)
- ストレージ:512GB SSD(PCI Express 4.0接続)
- OS:Windows 11 Home
比較対象も最新世代かつノートタイプとしてはハイエンドに属するゲーミングPCだ。ある意味で“モンスター同士”の対決となるが、どうなるか……?
CINEBENCH R23
3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」の結果は以下の通りとなった。
- OMEN 45L
- マルチコア:2万4244ポイント
- シングルコア:1809ポイント
- 比較対象
- マルチコア:1万8298ポイント
- シングルコア:1905ポイント
Pコアが多い分、OMEN 45Lの方が良好なスコアを記録した。シングルコアのスコアを見ると比較対象の方がむしろ良いスコアを出している。
今回はシステムの標準設定のまま計測したが、互いにアンロックをした場合、放熱に余裕のあるOMEN 45Lの方にアドバンテージがありそうだ。
PCMark 10
続けて、PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の結果を見ていこう。
「Essentials」は日常使い、「Productivity」はビジネスにおける生産性、「Digital Content Creation」は静止画や動画といったマルチメディアコンテンツの制作能力をチェックするテストだ。特にDigital Content CreationはCPUやGPUの性能差がスコア差につながりやすい。結果は以下の通りとなった。
- OMEN 45L
- 総合:8713ポイント
- Essentials:1万1644ポイント
- Productivity:1万17ポイント
- Digital Content Creation:1万5391ポイント
- 比較対象
- 総合:7859ポイント
- Essentials:1万1067ポイント
- Productivity:1万169ポイント
- Digital Content Creation:1万1706ポイント
CPUとGPUの違いが、Digital Content Creationのスコア差となって表れている。どちらも各フォームファクターにおけるモンスターレベルのPCだが、やはりパワーを求められる要素ではデスクトップタイプの方が優位性が高そうである。
3DMark(Time Spyシリーズ)
3Dグラフィックスのパフォーマンスをテストするベンチマークテストアプリ「3DMark」では、WQHD(2560×1440ピクセル)の描画でテストする「Time Spy」と、4Kの描画でテストする「Time Spy Extreme」を実行した。いずれもDirectX 12ベースで負荷は高い。
総合スコアは以下の通りとなった。
- OMEN 45L
- Time Spy:1万8592ポイント
- Time Spy Extreme:9623ポイント
- 比較対象
- Time Spy:1万2217ポイント
- Time Spy Extreme:5773ポイント
比較対象のスコアも十分に高いのだが、OMEN 45L(エクストリームモデル)はそれすらも大きく上回るスコアを記録した。さすがに少し前までは“最高峰”を誇っていただけある。
FF14/FF15ベンチマーク
実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も試してみた。FF14ベンチマークは最高画質で測定し、FF15ベンチマークはカスタム設定で最も負荷が高くなるように設定した際のスコアを収集した。解像度はいずれもフルHD(1920×1080ピクセル)である。
- OMEN 45L
- FF14ベンチマーク:2万6825(とても快適)
- FF15ベンチマーク:8092(快適)
- 比較対象
- FF14ベンチマーク:1万9573(とても快適)
- FF15ベンチマーク:5275(やや快適)
比較対象はノートPCとしては最高水準のスコアなのだが、やはりOMEN 45L(エクストリームモデル)の方が“強い”。よほどのことがなければ、どんなゲームでもスムーズにこなせそうないきおいである。
実ゲームのフレームレート(OMEN 45Lのみ)
OMEN 45Lでは、2つのゲームにおけるフレームレートも合わせて計測した。
【シャドウ オブ ザ トゥームレイダー ディフィニティブエディション】
「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー ディフィニティブエディション」では、NVIDIA RTX DLSSの項目を「クオリティ」とし、グラフィック設定はプリセットの「最高」モードを適用してフレームレートを測定した。4K出力時の結果は毎秒130フレームだった。
なお、DLSSはWQHD解像度以上で実質的な効果が出やすいとされている。その点には留意が必要だ。
【ファークライ6】
「ファークライ6」では、アプリ内のベンチマークテスト機能を使ってフレームレートをチェックした。描画はフルHDでカスタム設定を最も負荷を高くした状態で計測した結果、毎秒69フレームを記録した。
GeForce RTX 3090を搭載しているだけあり、一般に負荷が高いとされるゲームであっても高いフレームレートを記録している。さすがといった感じである。
CrystalDiskMark 8.0.4
最後に、ストレージの読み書き速度をチェックするアプリ「CrystalDiskMark 8.0.4」でシーケンシャル(連続)したデータの読み書きをチェックした。結果は以下の通りだ。
- OMEN 45L
- シーケンシャルリード(Seq1M Q8T1):毎秒6975.68MB
- シーケンシャルライト(Seq1M Q8T1):毎秒5284.61MB
- 比較対象
- シーケンシャルリード(Seq1M Q8T1):毎秒6915.28MB
- シーケンシャルライト(Seq1M Q8T1):毎秒5191.83MB
OMEN 45Lも比較対象も、SSDはPCI Express 4.0接続である。ほぼ同レベルの高速さだが、それでもOMEN 45Lの方が有意に高速だった。とはいえ、この速度差を体感できるシーンはほとんどないものと思われる。
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