「OMEN 45L」の強力な“独立”冷却機構、効果はいかに? 最新ゲーミングタワーPCを試す(2/4 ページ)
日本HPが2月24日に発売したゲーミングタワーPC「OMEN 45L」は、水冷用のラジエーターをボディーの“外”に出す斬新な設計で注目を集めた。ただ、斬新な見た目に気を取られがちだが、実際のスペックもモンスター級である。同時に発表された27型4Kディスプレイ「OMEN 27u」と組み合わせて実力をチェックしてみよう。
メーカー製品としては最上位クラスのスペックを誇るOMEN 45L
OMEN 45Lには、今回レビューするエクストリームモデルの他に、一部のスペックを抑えることで購入しやすくした「ハイパフォーマンスモデル」(税込み直販価格37万5100円)が用意されている。
両者の違いは搭載されているCPUとGPUにある。エクストリームモデルは第12世代Coreプロセッサの最上位モデルとなる「Core i9-12900K」とGeForce RTX 30シリーズの上位モデル「GeForce RTX 3090」を組み合わせており、メーカー製ゲーミングデスクトップPCとしては最高クラスのスペックを有している。ハイパフォーマンスモデルでは、CPUとGPUがそれぞれ「Core i7-12700K」「GeForce RTX 3080」で、こちらもメーカー製としてはかなりのハイスペックである。
その他のスペックはエクストリームモデルとハイパフォーマンスモデルで以下の通り共通している。
- メインメモリ:32GB(DDR4-3733規格/16GB×2、HyperXブランド)
- DIMMスロットは4基あるため、最大64GBまで増設可能
- ストレージ:2TB SSD(PCI Express 4.0接続、Western Digital製「WD_BLACK」)
- インタフェース類
- 背面:オーディオ×3(マイク、ライン入力、ライン出力)、USB 2.0 Type-A×2、USB 3.0 Type-C、USB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、USB 3.1 Type-A、有線LAN(1000BASE-T)、HDMI出力、DisplayPort出力×3
- 本体上部:イヤフォン/マイクコンボ端子、マイク入力、USB 3.0 Type-A×2(常時給電対応)、USB 2.0 Type-A×2
- 無線通信:Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)/Bluetooth 5.0
- 電源:最大800W出力(80PLUS Gold認証取得、Cooler Master製)
- 本体サイズ:約204(幅)×470(奥行き)×555(高さ)mm
- 本体重量:約22.6kg
- OS:Windows 11 Pro
標準構成の場合、本体への付属品は電源ケーブルと簡易マニュアルのみとなる。ディスプレイはもちろんだが、キーボードやマウスは別売となるので注意しよう。なお、直販ではOMENブランドのゲーミングキーボードやゲーミングマウスを付属することも可能だ。また、ディスプレイが必要な場合は34型ウルトラワイドディスプレイ「HP X34 WQHD」のセット品も用意されている。
もっとも、ゲーミングデスクトップPCを購入する人の多くは、自分好みのキーボード、マウス、ディスプレイを別途調達する人が多いと思う。そういう意味では、標準の付属品を極力少なくする姿勢は好印象ともいえる。
今回評価するエクストリームモデルが搭載するCore i9-12900Kは、第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)のデスクトップ向け製品(Sシリーズ)の最上位モデルで、型番末尾の「K」が示すようにアンロック(≒オーバークロック)にも対応している。処理能力重視の「パフォーマンスコア(Pコア)」は8基16スレッド構成(3.2GHz〜5.2GHz)、処理効率(消費電力)重視の「効率コア(Eコア)」は8基8スレッド(2.4GHz〜3.9GHz)で稼働する。合計で“16コア24スレッド”という構成だ。
Core i9-12900Kの基本消費電力は125Wで、Maximum Turbo Power(最大消費電力)は241Wとなっている。メインメモリはDDR4-3200とDDR5-4800(いずれも定格時)に対応しているが、先述の通りOMEN 45LではDDR4規格を採用している。
一方、GeForce RTX 3090はGeForce RTX 30シリーズにおいて「GeForce RTX 3090 Ti」に次ぐモデルだ。「2番手」ではあるものの、以前は最上位モデルだったこともあり、現在でも“モンスター級”のスペックを備えている。
GeForce RTX 3090は「Ampereアーキテクチャ」のGPUコアを採用し、CUDAコアを1万496基搭載している。開発元のNVIDIAが公開しているスペックでは、1.4GHz〜1.67GHz駆動とされているが、OMEN 45L(エクストリームモデル)が搭載するグラフィックスカードはGPU(定格)クロックが1395MHz、ブースト(最大)クロックが1695MHzという設定となっているようだ。
OMEN 27uもハイスペック
今回のレビューはOMEN 45Lが主役だが、今回組み合わせるOMEN 27uについても軽く触れておこう。
OMEN 27uはOMEN 45Lと一緒に発表された27型ゲーミングディスプレイで、先述の通り4K/144Hz表示に対応するハイエンドモデルだ。ディスプレイパネルにはIPS液晶を改良して暖色の表現力を高めつつ、発熱を抑制した「IPS Oxide」を採用している。
HDMI 2.1入力、HDMI 2.0入力とDisplayPort 1.4入力を備えており、最新の据え置きゲーム機も4K表示で楽しめることが魅力だ。
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