「Blue Carpet Project」でクリエイターを支援するインテル――最新PCを手にしたクリエイターが驚いた理由(3/3 ページ)
「インテル Blue Carpet Project」は、インテルがPCメーカー/パーツベンダーを始めとして、教育機関やクリエイティブカンパニーと連動して、クリエイターを包括的に支援するものだ。3月のスタートから、どのような取り組みがあったのだろうか。
PCの性能が引き出すクリエイティビティー
最後のパートは、クリエイタートークセッションだ。安生氏に加え、モデレーターにIMAGICA EEX COO 早川正祐氏、クリエイターからは、6秒企画でモーションデザイナー/エディター/コンポジターの白戸裕也氏、OFBYFOR TOKYO所属で3DCG Artist/Visual Artistのフジモトタカシ氏が参加した。
まず、クリエイティブに対するこだわりについて尋ねられた白戸氏は、「フラッグシップモデルを使うこと」と即答。その理由は「処理が速いので、トライ&エラーを幾度も行えるから」というものだった。また、「クライアントワークが多く、納期厳守のため、より良い、しかも速いアウトプットが求められている」とも付け加えた。
フジモト氏は、「もともとフォトグラファーだった」と前置きした上で、「作品は、できるだけリアルに近づけることをモットーにしているが、そうなるとテクスチャーにもこだわる必要がある。また、シミュレーションのため物理演算のスピードも求められる。だから、コンピューターのパフォーマンスにこだわっている」と答えていた。
安生氏は、先にトークセッションを行った西郡氏の発言に触れ、「西郡さんも高スペックマシンがあると、もう1度やってみたい、クオリティ−を上げたいとおっしゃっていた。クリエイターさんたちは、空き時間ができたぶんだけ休もう、という発想にはならないのですね」と笑いを誘っていた。
「最新PCのおかげで実現できたことは?」と聞かれると、白戸氏は「古いPCでは、高スペックだと冷却用のファンが非常にうるさかった。今のものは静音性が高く、思考に集中できるし、そのぶんトライ&エラーを何度でも繰り返せる」と「トライ&エラー」を強調した。
フォトリアルな3DCGにこだわるフジモト氏は、「以前であればテクスチャーを貼り付ける前の状態、いわゆる“プレビュー画面”で作業を進める必要があった。今では完パケに近い形のものをリアルタイムでチェックできるため、非常に快適だ。テクスチャーを貼り付けた後のことを想像するようなギャンブル性がなくなって助かっている」と述べた。
「これまで、ノートPCのスペックに期待していなかった。というより、信用していなかった」とフジモト氏。しかし、日本HPの「HP ZBook Fury G8 Mobile Workstation」をBCPを通じて提供してもらい使ったところ、「自分の持っているデスクトップPCと2台で並列的に作業しているので、できることが2倍になった」と喜んだ。
日本エイサーの「Predator Triton 500 SE」を提供されている白戸氏も、「今まで使っていたデスクトップPCと同じことができるので、同時に走らせたり、脇で別の編集作業をしたりする」と言った後、「ノートPCだと現場に持っていけるのが便利。普通のスペックでは作業できないので、レンダリングできるハイスペックなマシンを持ち歩けるのはありがたい」と付け加えた。
最後に、クリエイターを目指す人へメッセージを求められた2人は、それぞれ次のように語った。
「合う合わないは、使ってみないと分からないし、やってみないと分からない。なので、選り好みすることなく、どんどんチャレンジしてほしい」(白戸氏)
「学生時代、映像を作るバイトのためにショップで組んでもらえるWindowsマシンを購入した。お金がなく安く組んでもらったが、バイト代を貯めて、あとからパーツをどんどん強化していった。だから、まずは、手元にある機材を使って作品を作ってほしい。高級なマシンを使っていなくても、作品が下手でも、とにかく作って出していくのが大事だと思う」(フジモト氏)
なお、フジモト氏は元フォトグラファーで、3DCG制作を始めてからまだ1年2カ月とのことだ。それでもアーティストのジャケット(Perfumeのシングル「Flow」)を依頼されるまでになったのは、「以前の仕事で、構図の気持ちいいところを探すのが得意だったからではないか」と考察した。
過去と現在の仕事のつながりについて尋ねられた白戸氏は、「映像にこだわらず、さまざまなインプットをしてきたからではないだろうか。インプットにインプットを重ねて、それからアウトプットすることを心がけている。いろいろなことが連動している」と述べた。
早川氏は「今はPCの性能も、見てもらう場も、つまり自分のやりたいことが実現できる環境が整っている。見るだけでなく、作って発信することをすれば、人生が少しずつ変わるのではないかと思う」と締めくくった。
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