Zen 4アーキテクチャの“実力”は? 「Ryzen 7000シリーズ」の性能を先行チェック!:9月30日19時発売(2/5 ページ)
AMDが、Zen 4アーキテクチャを採用する新型デスクトップPC向けCPU「Ryzen 7000シリーズ」を9月30日19時に発売する。それに先駆けて、今回の新製品を試す機会を得たので、その実力をチェックしていこう。
CPUソケットは「LGA」に チップセットも一新
Ryzen 7000シリーズは、新しいCPUソケット「Socket AM5」を採用した。Socket AM5はマザーボード側にピンを設けるLGA(Land Grid Array)式で、CPU側には接点のみが用意されている。
ソケットの変更に伴い、CPUの形状も従来から変わった。ただし、ソケット周辺部とヒートスプレッダーの形状に工夫を加えることで従来の「Socket AM4」用の冷却デバイスを流用できるようになっている。
既にRyzenシリーズを使ってシステムを組み立てているという人なら、それで使っていたほぼ全ての冷却ファンや水冷ソリューション(ラジエーター類)を流用できる。
チップセットは4種類
既に報じられている通り、Ryzen 7000シリーズに対応するチップセットは「AMD X670E」「AMD X670」「AMD B650E」「AMD B650」の4種類が用意されている。いずれもAMD EXPO Technologyによるメモリのオーバークロック駆動に対応している。
各チップセットはCPU直結のPCI Express 5.0バスの扱いに違いがあり、PCI Express 5.0接続のグラフィックスカードを使いたい場合は「E(Extreme)」の付くチップセットを選ぶ必要がある。PCI Express 5.0接続のNVMeストレージはB650以外の3モデルで利用可能だ。
いずれのチップセットもCPUとの接続はPCI Express 4.0 x4で行われる。CPU側のバスはPCI Express 5.0に対応しているが、チップセット側は1つ前の規格となるので注意しよう。チップセット側に用意されるバス/ポート類は以下の通りとなる。
AMD X670E/X670(CPUと同時発売)
- PCI Express 4.0バス×12レーン
- 有線LAN、ワイヤレス通信(無線LAN/Bluetooth)、ストレージなどの利用を想定
- PCI Express 3.0バス×8レーン
- 2レーン単位で「Serial ATA 3.0ポート×2」に振り替えることも可能(最大16基)
- USB 3.2 Gen 2x2ポート×2
- 1ポート単位で「USB 3.2 Gen 2ポート×2」に振り替えることも可能(最大4基)
- USB 3.2 Gen 2ポート×8
- USB 2.0ポート×12
AMD B650E/B650(10月発売予定)
- PCI Express 4.0バス×8レーン
- 有線LAN、ワイヤレス通信(無線LAN/Bluetooth)、ストレージなどの利用を想定
- PCI Express 3.0バス×4レーン
- 2レーン単位で「Serial ATA 3.0ポート×2」に振り替えることも可能(最大8基)
- USB 3.2 Gen 2x2ポート×1
- 「USB 3.2 Gen 2ポート×2」に振り替えることも可能
- USB 3.2 Gen 2ポート×4
- USB 2.0ポート×6
今後、PCI Express 5.0規格に対応するグラフィックスカードやSSDが出てきた場合に、そのポテンシャルを生かせるようにパフォーマンスを底上げしたCPUがRyzen 7000シリーズ……なのだが、チップセットやマザーボードのモデルによってはバス/ポートの構成の都合で能力を生かせない可能性もある。
マザーボードを選ぶ場合は、仕様書をよく見ておくことをお勧めしたい。
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