性能と可搬性のバランスを追求した14.5型ノートPC「ASUS Vivobook S 14X OLED S5402ZA」を試す(2/3 ページ)
ASUS JAPANから新たに登場した「ASUS Vivobook S 14X OLED S5402ZA」シリーズは、14.5型の有機ELディスプレイを備えたノートPCだ。ボディーカラーやCPU、添付アプリの違いで全6モデルあるうち、最上位モデルをテストした。
高いパフォーマンスを備えるも高負荷が続くと……
本機の性能を、実際にベンチマークテストの結果で確認してみよう。なお、Vivobook S 14X OLEDは、MyASUSアプリからファンモードを変更できるか、下記は全てスタンダードモードでの結果となっている。
まずは、CPUの性能がそのまま結果に表れやすいCINEBENCH R23の結果からだ。比較対象として、Core i7-1260P(Pコア4基+Eコア8基/12コア16スレッド)を搭載した「Zenbook 14 OLED」と、Core i7-1255U(Pコア2基+Eコア8基/10コア12スレッド)の「ExpertBook B9 B9400CBA」の測定結果を利用している。
テスト結果を見ると、シングルコア性能は誤差ともいえる程度の違いだが、本機のCore i7-12700Hは14コア20スレッドなだけあり、マルチコアでは他の2モデルを引き離している。
次にビジネス用途など日常使いでのパフォーマンスを測る「PCMark 10」の結果を見ると、トータルではあまり大きな差は出ていない。Digital Content Creation(写真や動画編集などのコンテンツ制作)では大きな差がついてはいるが、文章作成やWebブラウズなどの用途であれば、体感的な使い勝手はそれほど変わらないはずだ。
同様に、グラフィックス性能を測る「3DMark」では、Core i7-1255U(Intel Xe Graphics、最大1.25GHz)とは差が付くものの、Core i7-1260P(Intel Xe Graphics、最大1.4GHz)との差はほとんどない。
実際のゲームタイトルではどうだろうか。これが、少し気になる結果となった。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)を実施したところ、軽量品質の1920×1080ピクセルのフルスクリーンで「2491(重い)」という結果だった。Core i7-1260PのZenbook 14 OLEDは同じ設定でも「3046(普通)」だったので、CPUとして高性能なはずだが、スコアが悪化していることになる。
試しにファンモードをパフォーマンスに変更してみたところ、同じ軽量品質(1920×1080ピクセル/フルスクリーン)の設定でも、「2377(重い)」とスコアが落ちてしまった。
HWMonitorを見ると、CPU温度が最高で96度まで上がっており、サーマルスロットリングが起きているのではないかと考えられる。パフォーマンスモードは単にファンの回転数を上げるだけではなく、CPUやGPUの動作周波数も若干アップしている。このため、パフォーマンスモードでは温度上昇が大きくなり、むしろスコアが落ちているのではないだろうか。
ベンチマーク中の本体は、排気口が向かって左側にある関係でその部分が熱くなるのは当然なのだが、それ以上にキーボード左上が熱くなっている。実はこの部分にも排気口があり、熱はこちらの方がたまりやすいようだ。
なお、ベンチマークソフト(FF15ベンチマーク)実行中、最も温度が高い部分(画像中の白くなっている部分)は47度を超えていた。日常業務では問題はないものの、PBP 45Wのプロセッサ(Core i7-1260Pは28W、Core i7-1255Uは15W)をフル稼働させるのには、冷却機構が追い付いていないのかもしれない。
最後に、バッテリー駆動時間を確かめよう。
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