「Intel Arc A380」は「ストリートファイターV」をプレイするのに十分な性能なのか(6/6 ページ)
Intelから実に22年ぶりとなるグラフィックスカード「Intel Arc」シリーズが発売された。そのエントリーモデルとなる「Intel Arc A380」を使ってストリートファイターVを満喫することはできるのだろうか。
「Xbox Game Bar」のススメ
もしかすると日本語文字列の表示関連に起因したバグなのかもしれないが(海外メーカーのアプリではありがち)、例えばグラフィックスメモリの動作クロックを示すはずの「VRAM有効周波数」が「0FPS」と表示されるのだ。単位表記の「FPS」が間違えだとして、正しくは「MHz」だったとしても、数字の"0"はそもそもおかしい。
その他にも3Dゲームグラフィックスをバリバリ描画しているはずなのに、描画負荷を表す「レンダリング・アクティビティ」が「0%」になっていることもあり、「この値って合っているの?」という表示がしばしば見受けられた。
他にも、このGPUステータスのオーバーレイ表示機能に「インテル パフォーマンス・テレメトリー」のタイトル表示は無駄だ。2行分のスペースを専用していては邪魔だし(NVIDIAやAMDの同機能にこんなタイトル表示はない)、そもそも「テレ/メトリー」という改行表示が、駆け出しの海外企業が行った日本語ローカライズのようでみっともない。
まあ、改行を直すよりは、筆者は、AMDやNVIDIAにならって、ここのタイトル表示はなくす改善を行うことを所望したい。
なお、前述したように、Intel Arc Controlのオーバーレイ表示を行っていると、暴走こそしないが、ゲーム進行が一瞬、止まったりするグリッチ現象があったので、筆者は、Intel Arc Controlを使うのをやめて、評価期間中はWindows 10/11の標準搭載機能である「Xbox Game Bar」を使うようにしていた。
これは、Windowsキー+Gキー、もしくは、ゲームコントローラの[Xbox]ボタンや[PS]ボタンを押すと出てくる、マイクロソフト製のオーバーレイ型サポートウィジェットで、この「パフォーマンス」タブをクリックすることで、PCに搭載されているCPUやGPUの負荷状態やフレームレートをリアルタイムにオーバーレイ表示してくれるようになる。
Xbox Game Barの表示位置のカスタマイズ自由度は、実は表示位置を画面の四隅からしか選択できないNVIDIAのGeForce Experienceよりもよく、使いやすい。ちなみに、Xbox Game Barのこのオーバーレイ機能を使って以降は、例のグリッチ現象には出会わなくなったのでお勧めだ。
繰り返しになるが、Arc A380のGPU自体、そして最新のGPUドライバ自体に不満はない。
改善して欲しいのは、サポートソフト回りである。まぁ、こうした「サポートソフトの安定性」については、AMDやNVIDIAも、ユーザーからのフィードバックにもまれて鍛え上げられてきた経緯があるので、Intel Arc Controlも、いずれ立派なものになるのではなかろうか。
関連記事
- 「ストリートファイターV」は、今やモバイルPCのCPU内蔵GPUでプレイできるようになってしまった
格闘ゲームの世界大会「EVO Japan 2023」にも採用されたゲームタイトル「ストリートファイターV」。これを最新のモバイルPCで快適に楽しむことはできるのか、またプレイしながらの実況配信もできるのかを試してみた。 - 「Intel Arc A770 Graphics」搭載グラボは10月12日発売 “価格破壊”の329ドルから
Intelの自社開発GPU「Intel Arc Graphics」の“本命”である、デスクトップ向けハイエンドモデルがいよいよ登場する。329ドルからという比較的手頃な価格ながら、近似価格帯の競合製品(恐らくGeForce RTX 3060)よりもピーク時のレイトレーシング性能を65%改善しているという。 - Intelがプロ向けGPU「Intel Arc Pro Aシリーズ」を発表 搭載製品は順次発売
Intelが、CADや映像業務に携わるプロフェッショナル向けのGPU「Intel Arc Pro Aシリーズ」を発表した。先行するコンシューマー向けの「Intel Arc Aシリーズ」と同様に自社製CPUとの連携機能を備え、GPUとしては初めてAV1のハードウェアエンコーディングにも対応している。 - NECPC、Intel Arc搭載のノートPC「LAVIE N15」を披露 インテルブースにArc Graphics搭載PCが勢ぞろい!
東京ゲームショウ2022のインテルブースで、NECPCの未発表ノートPCが展示されている。NECPCのノートPCとしては久しぶりの“独立”GPU搭載モデルで、「モンスターハンターライズ:サンブレイク」を実際にプレイして実力を試すことができる。 - Intel Arc A380搭載デスクトップPC「DAIV Z3-A380」の性能は? クリエイティブ系アプリは加速する?
マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」シリーズに、Intel Arc A380を搭載したデスクトップPCが追加された。新GPUはクリエイティブ関連のアプリで有用なのか、そしてパフォーマンスはどうなのかを細かくチェックした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.