旧アーキテクチャで“手頃かつ速い”ノートPCを実現 AMDが「Ryzen 7030/7035シリーズ」を発表:CES 2023
AMDが、過去の「Barcelo(Ryzen 5000シリーズのマイナーチェンジ版)」「Rembrandt(Ryzen 6000シリーズ)」をリフレッシュした新型APUを投入する。過去のアーキテクチャを活用することで、「手頃かつ速いノートPC」の登場を促す狙いがある。【訂正】
AMDは1月4日(米国太平洋時間)、モバイル(ノートPC)向けの新型APU(GPU統合型CPU「Ryzen 7030シリーズ」「Ryzen PRO 7030シリーズ」「Ryzen 7035シリーズ」を発表した。搭載製品は1月から順次発売される予定だ。
なお、今回登場した新製品は全て新しいプロセッサ命名ルールに基づいてモデル名が割り振られている。
【訂正:1月31日19時】初出時、Ryzen 5 7535UとRyzen 5 7535HSの搭載GPUに誤りがありました。お詫びして訂正いたします
Ryzen 7030/Ryzen PRO 7030シリーズの概要
Ryzen 7030シリーズは、Zen 3アーキテクチャのCPUコアとVegaアーキテクチャのGPUコアを搭載するモバイル向けAPUで、「Barcelo Refresh」という開発コード名が付けられている。メモリはDDR4-3200規格またはLPDDR4X-4267規格のものを利用可能だ。
Ryzen PRO 7030シリーズは、Ryzen 7030シリーズに大企業向けの管理/セキュリティ機能「AMD PRO」を追加したものとなる。
ラインアップ
Ryzen 7030/Ryzen PRO 7030シリーズのラインアップは以下の通り。TDP(熱設計電力)はいずれも15Wとなる。
- Ryzen (PRO) 3 7330U
- CPU:4コア8スレッド(2.3GHz〜4.3GHz)
- GPU:6コア(ゲームクロックは1800MHz)
- Ryzen (PRO) 5 7530U
- CPU:6コア12スレッド(2GHz〜4.5GHz)
- GPU:7コア(ゲームクロックは2000MHz)
- Ryzen (PRO) 7 7730U
- CPU:8コア16スレッド(2GHz〜4.5GHz)
- GPU:7コア(ゲームクロックは2000MHz)
Ryzen 7035シリーズ
Ryzen 7035シリーズは、Zen 3+アーキテクチャのCPUコアとRDNA 2アーキテクチャのGPUコアを搭載するモバイル向けAPUで、「Rembrandt Refresh」という開発コード名が付けられている。メモリはDDR5-4800規格かLPDDR5-6400規格のものを利用可能だ。
開発コード名でピンと来た人もいるかもしれないが、Ryzen 7035シリーズは「Ryzen 6000シリーズ」のリフレッシュ品となる。RDNA 2アーキテクチャのGPUを搭載しているので、ゲームもそこそこ快適に動かせることが魅力である
ラインアップ
Ryzen 7035シリーズのラインアップは以下の通り。
【Uプロセッサ】
- Ryzen 3 7335U
- CPU:4コア8スレッド(3GHz〜4.3GHz)
- GPU:Radeon 660M(4コア、ゲームクロックは1800MHz)
- TDP:15〜28W(メーカーが設定)
- Ryzen 5 7535U
- CPU:6コア12スレッド(2.9GHz〜4.55GHz)
- GPU:Radeon 660M(6コア、ゲームクロックは1900MHz)
- TDP:15〜28W(メーカーが設定)
- Ryzen 7 7735U
- CPU:8コア16スレッド(2.7GHz〜4.75GHz)
- GPU:Radeon 680M(12コア、ゲームクロックは2200MHz)
- TDP:15〜28W(メーカーが設定)
【HSプロセッサ】
- Ryzen 5 7535HS
- CPU:6コア12スレッド(3.3GHz〜4.55GHz)
- GPU:Radeon 660M(6コア、ゲームクロックは1900MHz)
- TDP:35W
- Ryzen 7 7735HS
- CPU:8コア16スレッド(3.2GHz〜4.75GHz)
- GPU:Radeon 680M(12コア、ゲームクロックは2200MHz)
- TDP:35W
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