個人向け「OneDrive」の100GBプランが「Microsoft 365 Basic」に 料金据え置きで特典追加 既存サービスの仕様変更も:既存ユーザーは自動移行
Microsoftが個人向けに提供しているクラウドストレージ「OneDrive」の有料プランが、個人向け「Microsoft 365」の最安プランとしてリニューアルされることになった。料金は据え置きで、Microsoft 365の「Outlook.com」と「オンラインサポート」に関する特典を追加で利用できるようになる。
Microsoftは1月11日(米国太平洋時間)、個人向けの有料クラウドストレージサービス「OneDrive 100 GB Standalone」について、1月30日(同)からサービス内容を拡充した上で「Microsoft 365 Basic」と改称することを発表した。これに伴う料金変更はなく(※1)、既存のOneDrive 100 GB Standaloneの契約は自動的にMicrosoft 365 Basicに移行される。
(※1)年額2244円または月額229円(共に税込み)
Microsoft 365 Basicの概要
その名の通り、現行のOneDrive 100 GB Standaloneは、個人向けクラウドストレージ「OneDrive」の容量を100GBとするサービスだ。Microsoft 365 Basicでは、これに加えて以下のサービスを追加で利用できる。
- メールサービス「Oultook.com」を広告なしで利用可能
- 「Outlookモバイル」アプリも利用可能
- セキュリティツールも利用可能(※2)
- ストレージはOneDriveや他のMicrosoft 365アプリと共用(詳細は後述)
- エキスパート(専門家)によるサポート
- 「Microsoft 365」と「Windows 11」に関するテクニカルサポートを利用可能
なお、Microsoft 365という名称は付いているが、Microsoft 365に内包されるアプリ(Word、Excel、PowerPoint、OneNoteなど)はWeb版またはモバイル版の利用に限定される(デスクトップアプリは利用できない)。
(※2)旧Hotmailを含むOultook.comで付与されるメールアドレスにのみ適用
新しい「Microsoft 365アプリ」の展開もスタート(Web版から)
MicrosoftはWeb版とモバイル版(Android向け、iOS/iPadOS向け)、Windows版の「Microsoft Officeアプリ」を「Microsoft 365アプリ」に置き換えることを2022年10月に表明していたが、Web版において1月11日(米国太平洋時間)から新アプリの展開を始めたことも明らかとなった。今後、ユーザー(アカウント)ごとに新しいアプリが順次適用されるという。
なお、モバイル版とWindows版の新アプリは、1月下旬から配信が始まる予定となっている。
現行の「Microsoft Officeアプリ」を置き換える「Microsoft 365アプリ」は、Web版での順次展開が始まった。モバイル版とWindows版アプリは1月下旬から配信を開始する予定だという
Microsoft 365のオンラインストレージの仕様変更(2月1日から)
さらに、Microsoftは2月1日(米国太平洋時間)から、個人向けのMicrosoft 365のオンラインストレージ(個人向けOneDriveを含む)の仕様変更を行うことも発表した。
現在、オンラインストレージとOultook.comの「メールストレージ」の容量は“個別”に設定されているが、同日以降はメールストレージの容量がオンラインストレージに“合算”されるようになる。メールストレージの容量(クオータ)自体に変更はないが、オンラインストレージの容量がいっぱいになると、Outlook.comにおけるメールの送受信にも影響するようになるので気を付けたい。
なお、同社では同日から順次、Microsoftアカウント、Windowsの設定や各アプリの設定においてオンラインストレージを管理/拡張しやすくする仕組みを導入するという。
「オンラインストレージ」と「メールストレージ」について
オンラインストレージには以下のデータが保存されている。
- OneDriveに保存されたファイル(Officeドキュメントを含む)や画像/動画
- Outlook.comの添付ファイルとインライン画像(自分で送信した分)
- 「Microsoft Teams」の録画/録音やメッセージに添付されたファイル
- 上記の「ごみ箱(Recycled Bin)」に格納されたファイル類
メールストレージには、Outlook.comに関する以下のファイルが保存されている。
- メールの本文とインライン(本文中に差し込まれた)画像
- カレンダーのアイテム
- 連絡先
- 添付ファイルとインライン画像(他者から送信された分)
- 削除済みメッセージ
現在の「オンラインストレージ(Microsoft Storage)」と「メールストレージ(Outlook.com Storage)」の設定。2月1日(米国太平洋時間)以降もこの数値に変更はないが、メールストレージの容量がオンラインストレージの容量としてもカウントされるようになる
Outlook.comでの「独自ドメインサポート」の終了(11月30日予定)
現在のOutlook.comでは、Microsoftが提供するドメイン(※3)の他に、個人が取得したドメイン(※4)を使ったメールアドレスによるメール送受信をサポートしている。
今回の発表では特に言及されていないが、Outlook.comにおける独自ドメインメールアドレスの設定は11月30日(米国太平洋時間)をもって終了する。同日までに設定を完了すると引き続き送受信に利用できるが、12月1日以降に当該アドレスを削除、またはドメインが失効してしまった場合は再登録できないので注意しよう。
なお、法人/個人事業主向けのMicrosoft 365における独自ドメインサポートは継続されるので、必要に応じて契約の移行を検討してみても良いだろう。
(※3)outlook.com、hotmail.com、hotmail.co.jp(日本のみ)、msn.com、live.com、live.jp(日本のみ)
(※4)GoDaddyで取得した(管理している)ドメインのみ利用可能(他のレジストラーが管理するドメインは利用不可)
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